壊れたレコード 1
煮込みハンバーグをつくりましたが、がんこ息子のくるみ君が混ぜてくれました。
この調子で、料理男子に育ってくれよ…
そして、弁当もいつの日か自分で…(ひそかな願望)
~~ 壊れたレコード 1 ~~
「おばあちゃん、お母さんは大変なの!ちょっとだまってて!」
言い合いになっている私と母に、小学生の娘のオムそばちゃんが生意気な大声で言いました。
子供たちも育ち、前よりも色々と理解できるようになっています。
あの時オムレットくんが割って入ってくれたように、今は子供たちが口を出してきます。
亡くなった父に似ている息子のくるみくんは母の大のお気に入りです。
この娘の方は、どことなくペースも目つきも、母によく似ているのです。
「お母さんはちょっとだまってて欲しいだけなの!静かにしてて!」
「おばあちゃんにそんな言い方しちゃだめ!」
そんな風に子供たちに言われると、私も子供を叱らざるを得ません。
私が母の味方になると、母も少し機嫌が良くなります。
その時はなんとか喧嘩はおさまり、結局うやむやになって終わりました。
息子は争い事や喧嘩の声が大嫌いなので、ずっとよその部屋に隠れていました。
帰る前の母に、マンションを探すことを重ねて確認しました。
「家の中を片付けはじめておいてね。大事なものをまとめて、捨てられるものを捨てるとか、出来ることからはじめておいてね。」
子供たちの世話があるから、と母に背中を向けました。
この子供たちにもまだまだ、日々振り回されているのも事実なのです。
がんこで無口な息子は中学生になったばかり。PTAの役員も引き受けました。
娘は小学2年生で、やんちゃのさかり。教育相談を控えていて心配でした。
地域活動だってあります。
塾の心配もあるし、毎日の料理洗濯もままならないことだってある。
同居は絶対に無理だ。
わたしは母よりも、オムレットくんと子供たちの方が大切だ。
どうしても、守りたい。
そう思いました。
実家に戻った母から、すぐに電話がかかってきました。
「あのね、りきちゃん。ちょっと相談があるんやけどね」
「なに?」
「あのねえ、実は私、いとこが関西の○○に住んでるんよ。そこがね、老人ホームをやってるらしいんやわ。そこに入ろうかと思ってるの」
「えっ?」
あれ、その話って、とうに無理だよって話した内容じゃない?
帰ったのって昨日だよね。家に着いたばかりなんだよね?帰る前にも、何度も確認したのに…。
→→ 壊れたレコード 2 に続く