壊れたレコード 5
ホワイトデーですが、オムレットくんは、「忙しいから無理かもしれない…」と言い残したにも関わらず、ちゃんと買ってきてくれました。
しかし!くるみ君からはお返しがありません(笑)
オムそばちゃんが
「お兄ちゃん!!あげたのに!うちらにはホワイトデーにはないの!」
と怒っていました。
すると、夜に板チョコをくれました。
これがまた妹の怒りを買い、「気合入ってなさすぎ!!」と怒られていました。何をされても怒られている、妹には弱いくるみ君でした。
~~ 壊れたレコード 5 ~~
いくつか選択肢を思い浮かべました。
①遠方介護(ヘルパーさん方の訪問介護を手あつくして、様子を見る)
②実家の近く、地元の老人ホームに入る。
③うちの近く、関東の老人ホームに入る。
④うちの近くにアパートかマンションを借りて私がケアする。
⑤自宅介護
心が揺れました。
①遠方介護は、検討の余地ありだと思われました。
②実家の近く、地元の老人ホーム、これは結局、おそらく何かあればいちばん近くに住んでいる「けいちゃん」叔父さんに負担がかかるでしょう。
③と④うちの近くの老人ホーム、またマンションぐらし、これも検討の余地ありです。
⑤自宅介護・・・はなんとしても避けたい!!
でももしかすると、やむを得ない事情となることだってありえるかもしれない。
付き合いづらい母から遠く離れて、おだやかなオムレットくんと元気な子供たちと暮らしている生活が、何より幸せだと感じていました。
突然、将来が暗くなったような気がしました。
この頃、「この世界の片隅に」という映画がありました。
個人的にとても好きな映画でしたが、それとは別に母のことと重ねて、考えさせられるところがありました。
母は、「あの古きよき時代の質素な、日々の生活を丁寧に過ごす美しさ」をまっこうから否定する人です。
主人公にきつくあたる、主人公の義姉さんが出てきますが、
母のキャラは径子さんに近いです。さらに百倍ぐらいアクを強くした感じです。
そして、ものすごいモテ伝説を持っています。
ここが、母の言う「若い時からのことをちゃんと書いて!!」という部分だと思います。
自分で言うだけではなくて、親戚や母の友人たちからもモテっぷりがすごかったと聞くので、信じてもいいのでしょう。
(残念ながら、私は瓜二つレベルで父似のおとこ顔です)
径子さんと同じように、服装は常に気を使っていました。
どう見られているか、常に気を張って意識しています。
モテ期のプライドをそのまま持っている部分もあるのでしょう。
四月半ばのことでした。
切羽詰った電話がかかりました。
「通帳がどうしてもねえんじゃわ。ご近所さんに家に上がってもらって通帳を探してもらったの」
「どうしてそんなことするの!ご近所さんに迷惑じゃないの」
思わず声が大きくなりました。
→→ 通帳ふたたび 1 に続く