真綿で首 1
王様のブランチでふくろうカフェをやっていました。
「ふくろうカフェか~。何がいいんだろうか」
とつぶやくと、オムレットくん
「ふくろういいじゃん!ふくろうだよ!?ふくろう!」
「ふくろう萌えなの?知らなかった」
「猛禽類ほどのガツガツ感がなくて、まあるいフォルムに太いあし!」
いいな、いいな~
と言っているオムレットくんを見ながら
自分に似てるからなんじゃ…?
とちょっと思ってしまいました。
曙産業 ミラくるザル・ボウル / もう何もかもひっくり返死体(誤変換) / 涙こぼして野菜こぼさず 価格:864円 |
~~ 真綿で首 1 ~~
私は記録をつけながら、毎晩のように母と言い合いを重ねました。
母の反応
1、不安げで、なんとなく自分がおかしいから引越しをそろそろ決めてくれないかと話す。
(夏休みのことは、覚えているときもあり、忘れているときもある)
2、興奮したように、やはり財産が狙われていると繰り返す。
3、明るく元気で何事もなかったかのように話す。引っ越しは絶対に拒否
その三つの間をふらふらと行ったり来たりしていました。
五月には、具合が悪いという弱々しい電話がかかりました。そっちに行きたい。あんたのそばで死にたいと言います。
だから前から準備をはじめてって言ってるよねっ!と怒鳴りたい気持ちを抑え、記憶の定着を目指して
「夏休みにホームを探そうね」
を機械的に何十回も繰り返しました。
おじ夫妻がお金を狙っている発言も、まだ二、三回ありました。
「おじが狙っている→おばが狙っている」に変わったり、戻ったりします。
そうでない時にも、とにかくおじ夫妻には電話をしたくない、関わりたくない。何も頼まない、と言うのです。
これはこれで、わたしもこれ以上、「けいちゃん」叔父さん夫婦に負担をかけたくないので、わかったわかったと返事をしていました。
六月も終わりに近付こうとしていました。
「薬がどうしてもないんじゃわ」
という電話が母からかかりました。
「!?今度は薬?通帳じゃなくて?」
「お隣さんとこに行ってな、病院に行って取ってきてくれないかと言った」
「もうやめて~~~!!!」
思わず悲鳴が漏れました。
頭を抱えて、子供たちがなになに、と寄ってきました。
「なんでよ?」
「ご迷惑だからやめて!病院なんて、ちょっといってすぐじゃん!自分で病院に行って言いなさいよ!」
「ないんやもん。そりゃ困るが」
何を言っても空回りで通じません。
「夏休み!夏休み!!お願いだから夏休みまで大人しくしてて!」
「夏休みがなに?」
「だから~~~!!!」
→→ 真綿で首 2 に続く