おじの家 3
この記事を最初に投稿した頃、オムそばちゃんを連れて、上野公園の桜を見に行っていました。
ほんとに見事な桜でした!!
関東地方にきてかなり経つのに、桜の時期に上野に行ったのははじめてでした。
そのかわり、人もものすごかったです。
~~ おじの家 3 ~~
私はおばの発言に、すごいショックを受けました。
昔のおばちゃんなら考えられないような言動です。
母だけじゃない!
という思いが電のように落ちてきました。
「ちょっとちょっと、そんな事言ったらいかん」
おじちゃんがやんわりたしなめましたが、おばちゃんは止まりません。
母はとみると、まるで聞こえない風で空中を見つめたまま、箸で食事を口に運んでいました。
どうしちゃったんだ?
一体、何が起きているんだ?
おばちゃんがおさまると、今度はおじちゃんが口を開きました。
おじ「ねえちゃん、行ったがええ。娘の世話になるのが一番や」
母「いや、行かん」
おば「何言ってるのねえちゃん!」
おじ「ゆっくり考えたらええわ。そんなに急いでもの、お母さんの気持ちが…」
母「そうなんよ、色々準備もあるしね、そのうち…」
私「いやいやいや、ゆっくり考えてはいられないので。三日しか猶予はないので。もう連れて帰ります」
おば「そうよ!行かんとだめ!!」
私「絶対連れて帰ります」
おじ「そうやなあ、そういう時なんかなあ」
母「うーん、そうね…そうせんとならんやろうね、やっぱり」
おば+私「そう!!当たり前!!行くの!!」
この話が一段落した所で、今度はおじちゃんがぽつりぽつりと話し始めました。
おじちゃんの話の所々から、おばちゃんが毎日ぐったりと無気力に過ごしている。ぼんやりしていることばかりだと聞かされました。
黙ってずっと座って、テレビをじっと見ているだけ。
なので掃除、洗濯、料理から、おばの着替えまで、ほぼ全ておじちゃんががやっているというのです。
おばちゃんたちには子供がいません。
おじちゃんの親戚も、甥っ子ばかりで女性はいません。その「掃除洗濯料理着替えの介護をおじがひとりでやっている」意味を、本当に理解できる人が近くにいないのでは…!?
しかし、とりあえず今は母です。
母をなんとかせねばなりません。
おじ夫妻はずっと、母の後見人のような立場だったため、よりどころがなくなった気持ちがありました。
絶対にこれ以上迷惑はかけられないと思いました。
何としても連れて帰らねば!!!
このおばの爆弾発言と、二月の母の「お金を狙っている発言」を照らし合わせて考えると、何かがあったのかもしれません。
実際に母の資産なんてほとんどありませんし、おばちゃんが何をもって誤解をしているのかもわかりません。
しかし「本当に何があったのか」は結局わからないことですし、うやむやにした方がいいことがあると思いました。
→→ おじの家 4 に続く
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