今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

説得 3

 最初にこの記事を投稿したちょうどこの頃、オムレットくんのお誕生日でした。

いつも買っている、このあたりで一番おいしいケーキ屋さんのケーキを買いに行こう!
「いや、いい」
と言います。

 

おやおやおや~???
甘い物に目のないオムレットくんが何を言うのかな~~???

「スポンジを買って、生クリームを買って、ももの缶詰を買う!!」
と主張します。

 

「それで、オムそばちゃんに盛り付けてもらう!!!」

 

父親の夢を追いたかったみたいです。
しかしながら、オムそばちゃんは一筋縄でいくタイプではありません。

 「は?わたしが?なんで?」
「なんでじゃない💢

 

結局、私が見守っていた所、
作ったのは明らかにくるみくんでした...。

 

パイロット万年筆「カスタム ヘリテイジ91」あこがれの万年筆

 

おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 

~~ 説得 3 ~~

  

私がどれほどどたばたしていても、母はずっとテレビを見ながら背中を向けていました。
こんなに、家じゅうをひっくり返すほど片付けていてもです。
いつもなら「あたらんで!さわらんで」と激しく拒否して喧嘩になりそうなものです。

 

私もそのまま放置していたわけではなく、母にあれこれ聞きました。
「これは何?これはいるの?必要?」
すると、
「これはな、いらん。これもいらん。これはいる。使ってる」
と、教えてくれます。

 

ごみ袋がいくつも積み上げられ、大きなキャリーバッグを持ち出して母の洋服などもつめているのですが、何も言いません。

 

どちらかというと、目を離すとすぐにテレビを見ていました。
展開についていけないのかな?と思いながらも、サブリミナルに刷り込みをしようと思って
「これは引っ越すからいるね」
「これは引っ越すからいらないね」
などと、しつこく繰り返しました。

 

薬の始末は思ったより大変でした。
よく見ると、テーブルの上だけでなく、棚の中にも奥にも突っ込まれて積み重なっていました。

 

袋の一つから、大量のロキソニンが出てきたのにはびっくりしました。
携帯で調べてみると消費期限は6か月から3年と書かれています。
頭痛持ちなので、ちょっと心が揺れましたが…、残念ながら、いつのものかも書いておらず、わからないので処分してしまいました。

 

私が「引っ越し」という時、母の返事は一定せず、そのたびにふらふらと変化しました。
「ここで楽しくやれてる、何の不便もない」
↑↓
「夜に不安だった。もう一人では暮らせない」

 

母の気持ちも揺れている。
一気にたたみかけようと考えました。

 

「きっぷを買いに行かないと」
「あんたたち、帰りの切符買ってないの?」
「………。いや、お母さんの切符だよ」
「はっ?なんであたしの切符を買うの?」
「いや、一緒に行くから」

 

口では我慢強く何度も言っていても、正直、キレそうでした。

 

→→  説得 4 に続く

 

おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 


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