幽霊 1
いつも休日の日はごはんを作ってくれるオムレットくん
日曜日の夜、「夜はスシローにしようよ!」と言いました。
うーん。
オムレットくんがマッサージ屋さんに行っている間に考えました。
いつもいつも申し訳ない。
たまには私が作ろう!
今日の夕飯は、チキン南蛮になりました。
(相変わらずへたくそなので小さな写真です)
後で聞いたら、母の日なのに何もないのは悪いかなと思ってスシローと言ったみたいです!!
母の日かぁ~。すっかり忘れていました💦💦
まったく空気を読まない無頓着なわたしでした。
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~~ 幽霊 1 ~~
オムそばちゃんは何もかも珍しいようで、あっちこっちいじりまわして遊んでいました。
ぬいぐるみも人形も、あっという間に新しい名前をつけられていました。
特に喜んだのはこのお人形です。
「小公女のセーラが見つけた人形みたい!」
「いいよ~。あげるよ」
あとでうちに遊びに来たオムそばちゃんのお友達はみんな怖いと言ってましたので(笑)、オムそばちゃんがこわがる子じゃなくて本当によかったと思いました。
たしかにちょっとリアルです。
フランス人形風ですが、抱っこして遊ぶこともでき、そんな高級でもないちょっと珍しいタイプのものかもしれません。
私はエリーちゃんと呼んでいましたが、オムそばちゃんにすみれちゃんという名前を付けられました。
うん、あってるかもしれない。すみれちゃん。
母が日常を使っている一階は掃除できましたが、埃だらけの二階はほとんど手付かずで、布団だけ干した状態でした。
ベッドのマットレスが怖いですが仕方がありません。
ずっと放置されていたことは間違いなしです。
とりあえず、見た目はそれほど変化しているようにも見えません。
パッドを取り換え、ファブリーズすることでしのぎました。
田舎の夜はとても静かです。風の音と、木々の葉っぱが揺れる音ばかり聞こえます。
寝室の片方の電気だけ暗くして、片側はつけておきました。
オムそばちゃんはぴったりくっついて離れません。
くずう、からくずくうか、と外で声が聞こえました。
「あっ!ふくろうだ。まだいるんだなぁ」
とても懐かしくなりました。
調べてみたら野生のフクロウは20年ほどの寿命とありますが、子供の頃から聞いているので子供か孫の世代なのでしょう。
「ほう、ほうって鳴かないの?」
「おじいちゃんがよく言ってたけどね、≪小僧、殻屑食うか?通して通しよ≫らしいよ。通して、ってのはおトイレのことだって」
正直、荒れた様子であちこちにがらくたが放置されている二階のベッドに寝ていると、薄気味悪さはどんどん増してきていました。
オムそばちゃんも私も、とにかくおしゃべりをして気を紛らわせようとしました。
キャーー!!!
オムそばちゃんが、漫画かドラマのような悲鳴を上げました。
私も、立っていたら腰が抜けていただろうと思うぐらいびっくりしました。
母が、扉の所に立っています。
ドアはしっかり閉じていたのに、音もなくいつの間にかいっぱいに開いていました。
入ってこようともせず、じいっと立っているだけです。
後ろはまっ暗闇ですが、そこには階段があるはず。
白めの寝巻が闇の中に半分とけたようになって、浮き上がっています。
ずっとそこにいた!?いつからいた?
さっき見た時は閉まっている扉だったのに。
階段だっていつもならギシギシ音がすごいのに。扉も開ける時はがちゃんと音がするのに。
母はじいっと立ったまま、目だけ動かして部屋を見ています。
それから低い声で言いました。
「男の子がいるよな?男の子おらんかったっけ?」
(男の子??)
「い、いや…いない、けど…」
母は部屋に入ろうとはせず、今度は首をまわして周囲を見ました。
それから、部屋に一歩か二歩入って、私を凝視しました。
白目が充血し、灰色になって、どんよりしているのがはっきり見えました。
「変な夢を見たんよね。あんたはあたしの子?」
答えられません。
「あたし何人、子供生んだっけ?不思議やなあ、男の子がおったんよね。確かに」
布団にもぐりこんでしまったオムそばちゃんがぎゅーっと私の腕を握ってきました。
つめが食い込んで痛かったので、少し我に返りました。
→→ 幽霊 2 に続く
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