幽霊 4
このエピソードのとき、あまりにも怖くてオムレットくんやくるみ君に電話をしてみたのですが、
「:lpl@k!!!おばあちゃんが二階に上がってきたの!!!」
オムレットくん「????…で??」
くるみくん「そりゃ自分ちなんだから二階ぐらい行くでしょ」
全然通じなくて、何の慰めにもなりませんでした💦
オムそばちゃんがいてくれて本当に助かりました。
~~ 幽霊 4 ~~
歩きながらも腰が引けて足が雲を踏んでいるような感じがしました。
たぶん、本当に怖い時には、この足に力が入らない感じのまま失〇とかしてしまうんだろうな、とか思います。
不思議なのは、バタバタして叫んだり、音を立てていたいたりするのに、母のいる一階からまったく何の物音もしなかったことです。
シーンとしてまるで誰もいないかのようでした。
さっきまであんなに風が吹いて、木々の音まで聞こえたのに、完全に静まり返っていました。
私が思ったのは母は寝たのかなということよりも、まさか死んでるんじゃないかということでした。
私には残念ながら、ずっとその男の子の気配は感じられませんでした。
いたとしても、父やくるみくんとも思えない。
ただ、まったくなにもいないというのも違う気がしました。
自分の部屋の壁に手を伸ばして電気をつけるまで(こわいのでまともに見ませんでしたが)、踊り場から暗い場所まで広がる何かをなんとなく確かめました。
うすぼんやりして正体のないもの。
霧のような霞んだ空気のようなもの。
部屋だけではなくて、薄まっているだけで、この家じゅうに漂っているのでした。
自分の部屋に行ったのは、自分の意志力を確かめるためでした。
ですがもうその時は本当に怖くて…電気をつけても怖くて、いくつか絵本をつかんですぐに走って戻りました。
オムそばちゃんはまた泣きかけていました。
ぬいぐるみで囲んで、絵本を読んでやろうとしました。
いくつか持って帰った本でしたが、一つ目…「ムーミン」
これ割と、おどろおどろしい所がある…(原作のほうです)
普段は気にならないのに。
「くまのプーさん」
≪そうら、クマくんが二階からおりてきますよ。バタン・バタン。バタン・バタン。≫
オムそばちゃん、ぜんぜん頭に入らないようでした。
階段ネタだからダメか。今は…。
父の「のらくろ」
うううう~~~~ん。
もっと「おやゆび姫」とかそういうのはないのかあ!!
しかしこの「のらくろ」がオムそばちゃんは、はまりました。
泣きやんで、読み聞かせるまでもなく自分で読み始めました。
わたしも大好きでした!
ま、まあ、いいか。
それで気がまぎれるなら…。
しかし私は気がまぎれません。携帯を見ても全然気分が晴れません。
さっきよりもっと落ち着かない気分でした。
この家全体に幽霊が漂っているように思えました。
でも一体、何の幽霊だろう?
この土地は父と母が結婚してから購入したものだし、建て替えもしているから古いは古いけどめちゃくちゃ古いというわけでもありません。
裏の家には私の祖父母、母の両親が引っ越してきて住んでいましたが、もう亡くなって人手にわたっています。
その行き場のなくなった祖父母…父…?
男の子、って誰だろう?
→→ 幽霊 5 に続く
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