幽霊 5
旅行に行く前日に
ばきっ!!!
と壊れていたトイレットペーパーホルダー…
オムレットくんが色々探して買って付けてくれました。
TOTO 棚付紙巻器(木質棚) ミルベージュ YH501FM#ML
オムそばちゃん用に、布製の可愛いリサとガスパールのホルダーがついていたので、ええ~これじゃホルダーが付けられない…と思ったのですが、設置したのを見てすぐに
イイね!!!!
入ってすぐに携帯が置けるんです。
「そうでしょう!?絶対そっちの方がいいと思って」
オムレットくん(ひさびさ登場です)も鼻高々でした。
~~ 幽霊 5 ~~
男の子?
考えたらダメとは思いながらも考えてしまいます。
母が夢を見ていたとすれば、それがくるみくんのことなのはいかにもありそうな感じでした。
でも、自分で言ったのに信じ切れていません。
この家は、父と母が購入して建てた土地と家なので、先祖代々の霊みたいなものとは違うと思いました。
うちは父の親戚とはほとんど交流がなく、ごく少ない親戚の方も鬼籍となっています。
父は、大家族でわぁわぁしている母の親戚の一員のようになっていて、それを楽しんでいるようでした。
本家のあとつぎ(いとこさん)はもう、他県に出てしまっている。
ある意味、この土地では母が一族の根っこの最後の残りで、どちらかというとおじいちゃんの「父権」を継いだのはけいちゃんおじさんだったような気がします。
そのおじさんにはこどもがない。
ないからこそ、これほどいとこたち皆をまとめて面倒をみてくれていたのかもしれないのでした。
わたしには、ここにいる幽霊がたった一人の男の子であるようには思えませんでした。
旧家なことを自慢していた母の系統の一族の、さいごの名残りのようなもの…。
それが母の引っ越しによって、消えようとしている?
わたしは長女の長女なので、後継ぎではないし「いずれお嫁さんに行く」立場だけど、それなりに大事にされているという立場でした。
田舎の男尊女卑の中でも、わたしのポジションはちょっと特殊で、「(いちばん長女の)おねえさんの娘さんだから、座っていて!裏(台所)のことは何も手つだわなくていい!」という空気がありました。
(これが料理全般まったく手際がわるくて、オムレットくんに呆れられるわたしなのです)
だから、わたしは特別にいつも男衆にまじってじっと会話を聞き、女衆がバタバタするのを傍観者のように見ていました。
悪口や…いさかいや…たばこの煙…笑い声。
でもみんな、生き生きとしていた。活気があって、いのちがありました。
その頃の記憶が幽霊かまぼろしのように、この暗い埃だらけの部屋の中に漂っているように思えました。
オムそばちゃんがやっと寝付いたのですが、自分が寝られません。
母も気になりますが、トイレがしたくなりました!!
怖さをしいて押し殺して、階下に降りることにしました。
よく言われることですが、生理現象にはかないません。
うちの階段は、母が股関節を手術したときから手すりがついています。
自分がしっかり握りながら、急いで降りました。
この階段をおりた所は玄関と仏間につながっており、夜はこんなことがなくても一番気味が悪い所です。
足ガクガクでへっぴり腰になりながら、急いでトイレに飛び込みました。
リビングには灯りがついています。
母はまだ、起きているのかな?あれから様子はどうだろう。
~~ 深夜の口論 1 に続く
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