錯乱 1
最近、妙に甘えん坊になってしまっているオムそばちゃん。
付き合って添い寝していると、寝落ちしてしまうことが二日も続いたので、今日こそは~~!!!!と、気合を入れて、眠い目をこすりながらうとうとしては起き、を続けていました。
寝落ちのせいで皆さんのブログ詣でも出来ていませんが、読んで下さって本当にありがとうございます!!
蒼井優さん、「花とアリス」の映画の時から好きだった女優さんなので、おめでたいことです!
どうかお幸せに!
~~ 錯乱 1 ~~
「うわぁ~ひどい!ひどい!何これ!?なんで?どうして!?」
母が目を押さえてトイレからよろよろと走り出て来ました。
「ど…どうしたの!?転んだ?」
トイレでまた転んだのだろうか!?やはり避けてないでそばにいればよかったのか?
「あんた…あんた、あたしをこの状態で外に連れ出していたの!?」
「!!??」
「こんな顔で歩いとったん?何も知らんで人前に出てたん?ひどい!ひどすぎるわー!!!」
道を歩く人が、みなこちらを見ていました。
母は、トイレの鏡を見たのでした。
家でも何度も鏡をのぞいて「わあひどいね、こんなになってる」と言っていたのに、忘れていたんだろう。
それで、トイレから出て手を洗おうとして鏡をひょいと見た。
打ち身と傷にショックを受けてしまったんだ…。
「眼帯を探そう」
母をなだめている間に、オムそばちゃんがコンビニに入って探してくれました。
「お母さん店員さんに聞いたけど売ってなかったよ~!」
薬局を探したいですが、時間が迫っています。
「ごめんねお母さん、郵便局に行かないといけないんよ。ここはタクシーに乗ってくれる」
「郵便局!?なんで?郵便局なんか行く用ないし!!」
「あるって!何日もずっと説明してるじゃない!自分でわかったと言って通帳もカバンに入れたでしょ!」
母はカバンを確かめます。
「本当や。ある」
私も通帳を確かめるために見ようとすると、ひったくるように取ってカバンにしまい、ガッと胸に抱え込んで背中を向けられました。
その子供じみた奇妙なしぐさに、言葉も出ませんでした。
それから母は、タクシーで郵便局に行く間もずっと、錯乱状態と言ってもいい状態でした。
「ひどい。あんまりひどいわ」
「金を狙ってるんよ。気をつけろと言われたのに!しまった。ほんとにしまった!」
「親子でも子じゃないんよね」
「皆がだまして私を追い出そうとしている」などです。
タクシーの運転手さんがちらちらこちらを伺っています。
不安そうな顔が刺さります。
何と郵便局は場所が変わっていました。
私が想像していたのは、いつもの小さな郵便局だったのですが、近所のものと併合されて建て替えられていました。
新しくなった郵便局はぴかぴかの床に広い局内、とても豪華でした。
(田舎の特徴で、広いのに人はそれほどいません)
床はつるつるしていて、なるほどここで転んだのか…という感じです。
小さくて古いアットホームな郵便局で転んだ様子を創造していたので、今ひとつ大事と思っていなかったのですが、見栄っぱりの母が気にする理由がなんとなくわかりました。
たとえていえば大舞台のど真ん中で転んだような感じです。恥ずかしさは人一倍だったと思われます。
→→ 錯乱 2 に続く
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