錯乱 ２
先週末のオムレットくん
「もうごはん作るのも考えるのも疲れたぁ～！！」
オムレットくんがやってくれているのは土日のごはんで主に夜です。
完全に全部やってるというわけでもないのですが、ごもっともです。
「大丈夫。わたくしが作りましょう」
「えっ…？だ、大丈夫…！？」
それはそれで不安な様子のオムレットくんです。
「最近ずっとおまかせ気味だったからやれる気がする。いややれる」
オムレットくんが作るようになったのは、おばあちゃん事件がきっかけでした。
最近、あれこれ事件があるものの、やっと少し生活が落ち着いてきた所です。
それまでもよくご飯は作ってくれていましたが、ここまでコンスタントにずっと請け負ってくれるとは思っていませんでした。
ずっとやってると嫌になってきますよね！？
チキン南蛮をオムそばちゃんがリクエストしたので、それになりました。
小さなピクルスの瓶を使えるのが嬉しいです。
（油断してるとすぐに古くなっちゃうので…）
普通にからあげにタルタルでもめっちゃいけます。
オムそばちゃん「写真とってもいい？」
私「いいよ～お願い」
と…トマトしか映ってない！！！主役はトマト！
でもなかなかとても美味しそうに撮れているのでそのまま上げちゃいます。
写真が私よりは上手のようです。
おばあちゃん話の方は緊迫しているし忙しくもあるのですが、なごやかに振り返っています。
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～～ 錯乱 ２ ～～
最近の郵便局は銀行のような雰囲気があります。
「いかがしましたか？」とやってきてくれたコンシェルジェ（？）のような方に、母は大声で言いました。
「はい、しません！」
「？？？」
郵便局の方は、目が点になっていました。
母は大声で繰り返しました。
「しません！何もしません！」
人が少なくて本当に良かった…と思いながら、横から口を出しました。
「あの私、娘なんですが、おばあちゃんを遠方に引き取りたいので定期の解約をお願いしたいんです」
限りなくあやしいです。
しかも、母の片目は殴られたようにまっくろです。
無茶だった。さすがの私も半分、諦めかけました。
調べていた所、郵便局の定期解約手続きが出来るのは４時まで。
ここまで遠路はるばるやって来て、諦めるのも悔しいです。
よく意地の張り合いになっていた母と娘の戦いが、ここでも水面下で始まっていました。
母の気持ちも考えてあげれば良かった…とは思うのですが。
でも！！気持ちを考えてたら何事も先に進まないのです！！！
施設を決めるなら頭金なり何なりがいるでしょう。
引越しが決まってから定期解約ではおそいのです。
先立つものがなければ、オムレットくんと子供たちの危機、つまり要は私の危機です！
時計を見ると、２時５０分でした。
はっきりと覚えています。
もうすぐ３時。立て直して気持ちが落ち着くのを待っても、間に合うかどうかわからない。
窓口に案内されたので、眉をひそめている窓口のかたに、母の横から説明しました。
「私、娘なんですが遠方から母を迎えに来たんです。母はもう、一人で暮らすのは無理なので、引き取ろうと思っているんです。それで定期の解約を…おばあちゃんも同意しててくれたんですが」
郵便局の方は、母と私を見比べてすぐにわかってくださった様子なのが救いでした。
「わかりました。ちょっとお待ちくださいね。いつも担当している者がいるので、そちらを呼びますから」
と言ってくれました。
母のことを知っている様子でした。
窓口を離れて、机の方に案内されました。
担当さんを待っている間、母に怖い顔をして言いました。
「お母さん！もう困らせないで。ずっとずっと話してるでしょ。いったん向こうに行ったらいつこっちに帰れるかわからない。定期の解約は必要だよ！郵便局の人に運用状況がどうなってたのかとか、最近の様子とかも聞きたい。おとなしくしててよ！」
「ああ、しまった！気をつけろって言われたんよね～！！しまった！！」
母はそう繰り返すだけでした。
しかも、いちいち心の底から悔しそうに言います。
…っ！！し...しまったぁぁぁ～！！！という風です。
実に感情あふれる言動なので、ものすごくむかつきます。
担当者の男性が困惑した表情でやってきました。
→→ 錯乱 ３ に続く
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