今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

見学 1

 

学校にオムそばちゃんを迎えに行きました。
おばあちゃんのあれこれに加えてまたまたお休みをもらう、仕事もちにはなかなかつらいイベントですが、これも大事です。

 

オムそばちゃんが、学校で育てている野菜を見せてくれました。
とてもよく出来ていました!

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これは美味しそうだね!

 

 

明邦 豆しばティッシュケース 茶

 

おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 

~~ 見学 1 ~~

 

義母さんから
「その後どう?まーお母さん、ずいぶんしっかりおしゃべりしてらしたけど」
と連絡がありました。

 

ちょっと声を低めてひそひそ声で、
「わたしも自分の母親が認知症だったけど、お年よりってふだんはボケてるのに、他人が着たらシャキッとしたりするものなのよ!そういう事もあるからあなた大変だと思うけど健康には気をつけてね」

 

会社も、かなり無理を言ってたくさんおやすみをもらいましたが理解していただけてありがたかったです。

 

 

 

見学しようとしていた施設は、歩いて行ける場所でした。
見学するため、ホームに向かって歩いていたとき、子供たちのお友達のご家族の車が横を通って、ママさんがニコニコしながら手を振っていたのを思い出します。

 

午前中のことでした。
「歩いて行けるっていうのはいいよね」
などと話しながら、中に入りました。
ここを訪れたことは、わたしにとって高齢者問題をもっともっと深く理解するきっかけになりました。

 

小ぢんまりした玄関で、細長い廊下で中に通じています。
あまり広くありません。清潔感はというと、普通です。
わたしには、多少の難はあっても、やはりおばあちゃんが日中はうちにいてもらえるなら…という気持ちがまだあります。
寝る所さえ確保できれば、この近さなら、と思っていました。

 

受付でお話をして、すぐそばのソファに座って待つ間、入居者の方や施設の様子を眺めていました。

 

まず気が付いたのは、入居者さんの全員が車椅子姿だということでした。
ほとんど…ではなくて、全員でした。

お昼どきにさしかかっていて、何人かまた、車椅子でエレベーターで降りていらっしゃいました。

 

すべての方が、体に管がついています。
男女の区別がほとんどつきませんでした。
何かを話している人もいません。全員が無言でした。
自分の力でご飯を食べておられる方はひとりもいません。
テレビはついているのですが、誰もそちらを見ていません。
 

目だけ動いて、こちらを首をひねって見るのですが、視線はこちらを通り抜けて別の方向に向かっているようでした。

 

母も私も、体がかたまって無言になってしまいました。
あれほど話が無限ループしたり錯乱したりする母が、とても元気で健康的で、若々しく立派に生きているように思えました。

 

母も、自分もいつかはこうなるのかな?と思いました。

 

このような状態の人々が日本の人口のかなりのパーセントを占めていて、選挙で票を投じることもない。
そして、その人数はたぶん、どんどん増えている。
数字の上ではなくて実感として怖くなりました。

 

(だからといって、女ばっかし産めよ増やせよ働けよというのも変です)

 

直立不動で動かなかったと言われていた深夜の姿や、実家で音もなくドアの所に立っていた母を思いだします。

 

困った母ですが、混乱して回路がうまくつながらなくなっていても、ただ座り込んでぼんやりしているだけのように見えても、やっぱり心もあるし色んなことを感じていると思います。

 

この方たちもみな、生きている。
表現することはできなくなっていても、喜びも悲しみも怒りもあって、やっぱり生きている。
それを忘れちゃいけない。絶対忘れちゃいけない。
心の中で何度も繰り返しました。

 

所長さんが忙しくやってこられました。
若々しくて元気な方だったのがちょっと救いになりました。

別室に通されて、お話を聞くことになりました。

 

 

→→ 見学 2 に続く

おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 


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