今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

逃走劇 3

 

オムレットくんがヒートシンクを買いたい!と言ってずっと検索していました。

 

ヒートシンクって何?」
「携帯の熱暴走を抑えるやつ。最近、すぐに熱くなっちゃって…」

 

私もつい、いじっていると時間が過ぎてしまいます。
オムレットくんは大変です。
戦国ゲームにポケモンです。

 

特にポケモンはすぐに熱くなるらしく、ひどい時は持てないぐらいだと言っていました。
(発火しないのでしょうか?心配です)

 

普通はパソコンに使うものらしいです。
子供たちにからかわれました。
「クールダウンクールダウン落ち着こうそれはカームダウン」
「親子喧嘩にも聞くかもよ。額に張ってあげようか」
なんて言われました!

 

スマホの熱を下げる zspowertech ヒートシンク ラジエーターフィン アルミニウム 40×40×11mm ゴールドトーン 4個入り

 

おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 

~~ 逃走劇 3 ~~

  

くるみくんが横から引っ張りました。
「ばあちゃん、後ろ人が来てっから。ちょっとどこう」

 

くるみくんも、中学生とはいっても背も高いし力もあります。
母は腕をつかまれて窓口から下がりました。

 

私は迷っていました。
熱海から乗ることをはっきり説明できません。
これは一旦、あきらめるべきではないかと思いました。
引越しは仕切りなおしになります。

 

引越し屋さんの配備も、別口で運送屋さんも頼んでいるのに…。
う~~~~ん。

 

それでも母を実家に連れて帰るのが本当に怖いと思いました。
まだ…今から熱海に行けば、ギリギリ間に合います。
でもそう伝えることができません。

 

母もがんとして動きません。
「私はね、買うの!買うから。もう二度と戻ってこん!こんなとこね、いられますか!無理矢理連れてこられて、だまされて!そううまくは行きませんよ~だ!」
「ホームを探してと言ったのはお母さんだよ!」
何十回も繰り返した台詞です。

 

「言わん。言わん。言うわけない。私はね、だまされたの!」
思い余って、わたしはそこからけいちゃんおじちゃんに電話をかけてみたら?と言いました。
母は自分の携帯を使って叔父に電話をかけました。

 

「ああ、けいちゃん?わたし。今から帰るからね!もう全部大丈夫やから」
母は電話口で、明るくきっぱりと言い放っていました。
「あのね、帰ります!この人たちみんな、お隣さんもよってたかって、私をばかにしてるんよ。だまして追い出したんよ!!一人でやれるのに!!」

 

実家で一度、おじちゃんに話してもらえたら落ち着いたから、一縷の望みを託したのですが、今回は母の言う事は変わりませんでした。
「言ってない!言わん!」
と繰り返しているのは、ねえちゃんが行くと言ってたで、というのに言い返しているようです。

 

らちがあきません。
おじちゃんでもダメだったか…。
重症です。

 

電話を変わりました。
「おじちゃんほんとにごめんなさい。この状態で今、ずっと駅で騒いでるの」
「困ったこっちゃのう、どうしたらいいんかのう」
いつもしっかり、どっしりして自信にあふれているおじちゃんのこんな弱った声ははじめてでした。
「どうすればええんか。お前それは、お母さん帰したらあかんわ。帰らん方がいい。帰ったらあかん!」

 

母をこちらに連れてくる時には
「ねえちゃんが嫌になったら戻ってくりゃいいわ」
と優しく言っていた叔父でしたが、ついに帰らない方がいいと言いだしました。

 

「でしょ!!!???だよね!!???」
と思ったのも事実です。もちろん言いませんでした。
「本当にすみません。説得してみます」
と言って電話を切りました。

 

 

→→ 逃走劇 4 に続く

おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 


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