迷い 1
やっとお天気マークが「曇り」になったので、嬉々として洗濯をしました。
干して外に出かけたら…
また降ってきた~っ!!!
がっくりです。
九州の方は特別警報が続きます。
京都ではあまりにも痛ましい事件が起きましたし…なんとなく不安でざわざわする毎日を送っています。
ちいさいですけど、なんとなく涼しそうな噴水の写真を貼っておきます。
可愛くて珍しくておいしい☆すずめ&シマエナガ「和風マシュマロ」鳳瑞(ほうずい)
~~ 迷い 1 ~~
家から走り出て行ったことを、母がまさか覚えているとは。
軽く衝撃でした。
パニックになったり、はた目にはおかしくなっている時のことはすべて忘れているのかと思っていました。
「家を飛び出したあの時ね。頭の中がめちゃくちゃになって混乱して、どうしていいかわからなくなるの」
「そうなんだ…」
「もうひたすら帰ることしか考えられなくなってしまってね。自分でもおかしくなってるとわかるんよ」
冷静でした。悲しそうな顔をしていました。
あんなに混乱している時、どうなっているのか。
まさか本人の口から聞けるとは思ってもいませんでした。
それからワインをまた飲んで、
「ああ、幸せ!」
と繰り返します。
食事も後半になってきた時、母が口をもぐもぐさせています。
「どうしたの?」
母は口に手をあてて、お肉をべっと吐き出しました。
「!!!」
「噛めん」
もう、三分の二ぐらいは食べていて、筋のある部位にも見えません。
それまで本当に普通に食べていたので、びっくりしました。
やっぱりお年寄りにステーキはなかったかな。
さすがに八十にもなって消化にも悪かっただろうと思います。
普通にやわらかい食べ物の方が良かったかな~、と反省しました。
母はいつも、ステーキに目がないです。
子供のわたしも、いつまでも母を年寄り扱いしたくないんだ。元気でいると信じたいんだな。
人がいなかったし、厨房の人もこちらを見てはいません。
母はなんとなく、さっきよりも目つきが奇妙です。
冷静に話していた母ではありません。
何度か繰り返し、かみかえしをした結果、きれいに食べてしまいました!!
かみながら、きょろきょろあちこち上目遣いで伺っていました。
子供に帰ると言うけど…。
さっきまで、あんなに冷静だったのに。
不安になりましたが、笑い話に紛らせました。
帰り道は私にしっかりしがみついています。
(ステーキは完食しました)
独占欲のようなものを感じました。
家に戻ると、子供たちがわっと私に寄ってきます。
母は一瞬でとても機嫌が悪くなりました。
「ここは嫌!!帰りたい!!!」
「も~また!おばあちゃん!わがまま言わないの!」
「オムそばちゃん!おばあちゃんにそんな口のきき方しないで!」
また三つ巴のケンカがはじまりました。
親子三代そろった、婆・母・娘の女子三名の争いです。
母は帰らせてくれない、閉じ込められている、意思に反している、と繰り返します。
通帳探しが始まりました。
→→ 迷い 2 に続く
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