最後の荷物 ２
くるみくんがお腹が痛くなりました。
無理もないことです。
こんなに突然暑くなってしまって、体が付いていきません。
下痢になってしまったようですが、こんな時におかゆを作ったり看病をしたりというのは全くしない親です。
しかし昔は…っ！
昔はしようとしたのです！😫💦
全て本人から拒否されました。
オムレット君もそうですが、具合が悪いと病院に連れて行くと一層具合が悪くなってしまいます。
逆に本人が病院に行く！と宣言するときは本当にやばい状態です。
今日のくるみ君は全ての手助けを拒否して布団に潜り込みました。
まる一日、一切出てきません。
枕元に水筒を置いておき、あとで見ると減っていました。
翌日には起き出してきて、
「治った」
と言います。
とりあえず様子見ですが、ほっと一安心しました。
根津記念館の草花です。何気ないお花まで素敵でした。
～～ 最後の荷物 ２ ～～
お薬のこともあって、くるみくんには頻繁に電話しましたが、とてもごきげんでした。
おばあちゃんと二人とはいっても、自由を満喫しているようです！
正直、いくら頼りになるとはいってもまだ中学生、重荷なのではないかと心配していたのですが安心しました。
夕方の五時頃に一度だけ
「帰りたいから開けて！これ開かないようになっている！！鍵どうにかして！」
と言われたようですが、ほかはずっと落ち着いていると言います。
くるみくんはやはり相性がいいのかなあ…。
まだ本がたくさん残っています。
家財道具にはそれほど執着があるものはないのですが、本だけは別です。
母は本が大好きでした。
壁には作りつけの本棚が一面にとりつけてあります。
家を建て替えたときに、わざわざ作ったのです。
そこにはまだぎっしり本がつまっていました。
ここに来るまでに、この本のためだけに、レンタルスペースをかりておきました。
本はいたんでしまうので、室内レンタルにしました。
一度、家にも倉庫を置いてそこにしまったら、しみだらけ、よごれだらけになって大変なことになりました。
母の好きだった正宗白鳥全集やルーブルの画集などは、施設の本棚に入れました。
世界文学全集はさすがに入りません。
レンタルスペースに送りました。
また読める日が繰るかどうか、わたしも全部読んでいません。
ほかに誰か読んでくれる日が来るのか…わかりませんが…。
まだまだ送りたい本があります。
母は海外もののミステリー小説がだいすきで、ハヤカワ文庫がたくさん残っています。
おひなさまにも未練があります。
仕方ない。これはまた次に来た時だ。
お墓参りか、もしくは…
家の処分のときになることでしょう。
電話が鳴り響きます。
近所さんには顔を出さず、荷物を送り出してしまうと急いでレンタカーで逃げ出しました。
レンタカーで生まれ育った区と団地をまわりました。
もう次はいつ来られるかわからないと思いました。
あまりにも大騒ぎが続いたので、郷愁やさびしさを感じる余裕がまったくありません。
これでつぎにいつ来られるかわからないと思っても、どこか現実味がありません。
心がない感じです。
ここの魂みたいなものは母だったのかな？
男の子おらんかった？というその男の子は、座敷童のようなもので、さいごのなごりでさよならを言いに来たのかな？
以前まであれほどよく覚えていた小さい頃の記憶とここが結び付きません。
裏山は舗装されて木が刈られていましたし、家も一度建て替えています。
小学校のまわりをひとめぐりしました。
通学路は一番夢にも出るし記憶にも残るなつかしい場所です。
当時あふれるほどつめこんで８クラスあった学校が、今は２クラスだといいます。
夏休みなのですが、子供どころか歩いている人っこ一人いません。
この広大な団地がだだっぴろくわびしく感じるな。
少子化を痛感しました。
今住んでいる所は、狭くてごちゃごちゃしていますがひとけがあります。
ここだけは、遠足で歩いた時のことや、運動場でのトラブルや、教室での先生の顔など、たくさんの記憶が思い出されました。
６年生のとき、実はうちのクラスでは白いいぬを飼っていました！
野良が迷い込んで来たのです。
可愛い真っ白な子犬でした。
→→ 学校の思い出 に続く
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