入居まで 5
毎日、おそろしく暑い日が続きます!
あんなに雨・雨・雨だったのに…。
太陽が当たっている場所の暑さと、ちょっと影に入った時のすずしさが全然ちがいます。
オムそばちゃんが
「全世界の人がクーラーをつけるべき」
といいます。
するとくるみくん
「バカ、ダメだろ。地球が滅んじゃう」
と答えていました。
環境のことを勉強しているんだろうな~、と思いました。
10年前ぐらいに撮った涼しそうなお盆のときの写真です
学研ステイフル 自由研究おたすけキット おいしい水を調べよう
~~ 入居まで 5 ~~
母の荷物、第二便の到着です!
椅子も届きました。
いそいそ行ってみると、母はなんと自分で荷物を配置し、さらに家らしくなっていました。
限りなく実家の雰囲気に似ています。
本棚は一番大きいのを持ってきて、母とわたしのお気に入りのものだけぎゅうぎゅうに詰めました。
アルバムもたくさんつまっています。
一番大きなたんすを持ってきて、和服まで中に詰めました。
クローゼットはベッド用の毛布やシーツ、ふとんです。
母はおしゃれなので、数え切れないほど服があります。
オムレットくんと母と一緒に、トースターを買いに行きました。
少しだけ気になることがありました。
ホームには外出簿があるのですが、母は書こうとしても書けません。
鉛筆を持ったまま、とても迷っています。
部屋番号を書けず、横から「○○○だよ」と口ぞえすると、それに合わせて違う数字を書きました。
たとえば
123→214
という感じです。
外出目的も、「散歩でいいのじゃない?」と言うと「さんは」と書いてしばらく迷って「゜」をつけました。
指摘はしませんでした。
母が背中を向けた時にそっと書き直します。
小さなことですが、私にとってはかなりショックな出来事でした。
何日か前には、住所も名前もしっかりと書けていたのに…。
冷蔵庫やースターが入ると、とても家らしい雰囲気が出て、母も自分で「それはここに置いて、あそこにおいて」、と指示をしていました。
「あんたね、お薬だけは言ってくれん?」
「お薬がどしたの?」
「自分でやれるから、帰して欲しいの!他の人に渡してるのが我慢ならんの!」
「いやそれは決まりだから…」
お薬は施設に預けていて、管理してもらっています。
飲み忘れも心配することはなくなったし、とても助かりました。
あとで思えばこれが一つのスイッチみたいなものでした。
翌朝のことです。
母から取り乱した電話がかかりました。
「ちょっと!!薬!!薬がない、ない!!」
「お母さん薬は施設に預けてるから」
「だから私に渡してって言ったのに出来ないっていうの!!なんでできん?私の薬やのに。私が持ってるのが普通やないの!!」
「いやいや、規則だし(本当は自分で管理されてる方もいらっしゃいます)、飲み忘れもあるからそこはお願いしておいた方がいいの。我慢して!」
すると母は攻撃を別の方向に転じました。
「わかってるんよ。あんたキャッシュカード抜いたでしょ」
き…気付かれたっ!!!
→→ 騒ぎ 1 に続く
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