今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

閑話 昔話 帰国後

 

日本に帰ってきてからも、高度成長期なので祖父はわりとよい仕事につけたようです。
自分は結局、きっすいの箱入り娘のお嬢さんである!というのが母の自慢です。

 

母は長女でしたし、戦後の一家の中でとても面倒みきれない兄弟姉妹をまとめることをしていました。
華やかな生活を一番覚えていますし、命令することにも慣れています。

 

その代わり、昔の人…特に田舎の人にはありがちですが、権威主義差別意識も強いです。
その傾向はやっぱり消しきれません。

加えて器量自慢なので、ごく一般的な生活をしていたのに妙に鼻高々なので敬遠されてました。

 

家の中でも母は完全に女王様でしたので、父はさからったり、言い返したりしたのを見たことがありません!

 

 

 

こんな風に認知症になったらしき母を引き取ったのは割と短い期間でしたが、子供たちは敏感です。
お母さんを取られたと敵視しますし、おかしな行動を取ればからかいます。

 

オムそばちゃんには厳しく
「おばあちゃんをばかにしちゃだめ!」
と言っていたのですが、加えて
「おばあちゃん、めっちゃくちゃモテたらしいよ!」
言ってみました。

 

オムそばちゃんは信じられないという顔をしています。
「ええ~?自分で言ってるだけなんじゃないのぉ~?」

 

「そんなことない。昔のおばあちゃん、すごく綺麗だったんだよ。授業参観日にみんな振り返ってたんだから!それに妹のおばちゃんたちも、おばあちゃんのお友達も、みんなママにそう言ってたからホントなんだと思うよ!」

 

自分で言いながら、父に似すぎてぜんぜん母の容貌を受け継いでないこと、気にしてなかったつもりなのですがちょっともやもやしてきました(笑)。

 

 

通帳を探している母に、オムそばちゃんがその話を思い出したのか、質問していました。

 

「おばあちゃんって、プロポーズされたの何人?」
「プロポーズ?」

 

何を聞くつもりなんだろう?

 

「プロポーズってつまり結婚を申し込むことやね?」
「そう!えーとね」」
オムそばちゃん、何かを考えてます。
「付き合って別れたとか、結婚まで行きそうだったとかじゃなくて、ちゃんと結婚させてくださいってお願いに家まで挨拶まで来た人」!

 

オムそばちゃん、すごいこと聞くな~。
それに、「結婚させて下さいって挨拶に来る」なんてこと、よく知ってるな~。

 

母は指折り数えて答えました。
「そうねえ、5人かな」
「え?多っ!!!うそでしょ!」
オムそばちゃん、びっくりしていました。
(わたしもびっくりしました)

 

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これは確かPTAをしていた時の写真です。

 

結局、母の一番書いて欲しい恋愛話は、またの機会になりそうですが、いつかきっと書いてあげたいと思います。

 

 

→→ 相談 5 に続く

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