今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

病院 4

いったい私たちがボケてしまった時には、どんな生活になるんだろう…
 

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おばあちゃんの介護を通じて、そんなことを、オムレットくんも私も考えているのを感じます。
何より年金問題は本当にただ事ではありません!!

 

 

うさぎポーチ

 

おばあちゃんが認知症になったお話 → 目次

 

~~ 病院 4 ~~

 

 

先生に話を伺うあいだ、母は外で待っていてもらいました。

 

「テストの結果はずいぶんな高得点でしたね~」
「はい、あれはもしかして認知症ではないんでしょうか!?」

 

先生から、詳しくお話を聞きました。

 

認知症の種類と傾向、どういった病気なのか。

 

そして、認知症の介護を一番難しくしている最大の問題は、こういった記憶のことや点数よりも、「周辺症状」である、とうかがいました。

 

例えば母はまだ、記憶についてはしっかりしている部分もある。
けれど、認知の問題はやはり起きている。

 

認知とは、「自分が出来なくなっている事に対する認知することができない」であったり、「一人では暮らせなくなっていることを認知することができない」という所も含まれる。

 

だからやはり、(高得点ではあっても)「認知症」ではある。
「周辺症状」(徘徊、暴言など)によって、まわりのかたが困ってしまうことが一番の問題である。

 

……ということなのだそうです。

 

母はその「周辺症状」が強く出ている状態であると思われるとのことです。

 

軽度アルツハイマー認知症という診断です。
お薬を処方してもらいました。

 

ここで処方されたのは、ツムラ54(ヨクカンサン)と、頓服のリスペリドンです。
ヨクカンサンはおだやかな気持ちになる漢方とのこと。
一方でリスペリドンは向精神薬の処方です。
ドーパミンをおさえるお薬ですとのことで、一錠をさらに半分にした0.5mgです。

 

「これは、周辺症状に困っているご家族に出すことがあるお薬です。ですが、服用量が最低であり、とても少ないので効くかどうかは飲んでみなければわかりません。これで落ち着いてくれると良いのですが…」

 

あとで調べてみると、あまり印象はよくありません。
(最近の漫画などでも、興奮をおさえるために経口投与していたりする描写がありました)

 

ドーパミンを抑える。
そう考えてみれば、母はいかにも常日頃からアドレナリンの量が多いんだろうなという行動パターンです。
社交的で外にガンガン出て行きますし、実にアグレッシブです。

 

「ほんの少量なので、副作用等もほとんど影響はないと思います」
とお医者さんは言っていました。

 

確かに母は少しはドーパミンを抑えてもらったたほうがいいのかもしれない。

 

 

この日は、別で予約していた病院に行ったりして、病院三昧の一日になりました。
母は病院が好きなのでとても機嫌が良いです。
ニコニコしています。
私にしがみつきながら
「ああよかった、これで帰れるね!」
と言います。
「……………」

 

先生とよくお話したことで、地元で周囲との関係に不協和音が響いていたことなどを思い出したようです。

 

「ここの人たちは飾らない、人慣れしたいい人たちやわ。田舎の人は自分を必要以上によく見せようとする。変に見栄を張るからね!こちらの方が付き合いやすいわ」
などと言います。

 

あんなによくしてくれた方々にはとんでもない風評被害です。
が、実は地元の人たちの性質よりも、この「関東地方の田舎」あたりの人たちの方が、母の性格にはあっていて付き合いやすいのは以前からそうじゃないかな~と思っていました。

 

帰る帰るさえなければなぁ…。

 

記憶はやはり途切れるようです。
ここはどこだったか、何をしているのか、これからどうするのか。
何度も確認しています。
疲れもあるのか午前中に受診した時よりも朦朧となっていました。
(まだ頓服のお薬は飲んでいません)

 

食事後、施設に戻る道のりで、また少し奇妙な感じになりました。
顔がこわばって固くなり、お薬を握り締めて離しません。

 

「ホームに預けよう?管理してくれることになってるから」
絶対に嫌!!!薬は私の薬だから自分でする」
と言います。

 

 

 

押し問答が続きました。

 

→→ 病院 5 に続く

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願いがかなうふしぎな日記 / 著:本田有明