様子伺い 2
朝、オムレットくんが
「オレンジジュースを買いに行く」
と言っていなくなりました。
そして帰ってきてからキッチンから
ガリガリガリ
とおそろしい音がしてきました!
みんなでかけつけると、バナナ、オレンジ、牛乳でスムージーを作っていました。
(バナナを冷凍させておいたのですごい音がしたようです)
テレビでやってたのでしたくなったらしいです。
おいしくいただきました。
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~~ 様子伺い 2 ~~
施設では、所長さんがにこやかに迎えてくれました。
とても感じがよくて愛想もよく「さあさあ、お待ちしてましたよ」とうながしてくれるので、そこからはスムーズでした。
母は、この所長さんがお気に入りのようでした。
くるっと私の方を向いて
「Tさん」
と言います。
もうお亡くなりになっている、家族同然に仲良くしていた父のお友だちの名前でした
「Tさんは前からの知り合いなんよ!ここにTさんがいてくれて本当に助かった」
私もぼんやり覚えていますが、ひょうきんで優しい感じの方でした。
本当に同一人物と思っているわけではないようです。
たまに「似てる。雰囲気がすごく似てる」と言います。
母の様子にあまり変化はありません。
しかし、あのものすごい、びっくりするほどの行動力は影を潜めているような気がします。
走って行ってしまったり、もみあったり、カートを持って帰る気満々の姿を見せたり、帰る!帰る!と叫んだりなどです。
夜に電話がかかってきました。
ちょっと声をひそめています。
「あのね、あんただから話すけれど!誰かに、施設には泥棒がいるから気をつけろと言われたからね。本当にそうや!と思ってたんよね」
「あまり気にしない方がいいよ」
認知症…。
一般的に、普通に生活していくうえで漠然と当たり前だと思っている行動…。
こう取るだろうと予想する行動をはずれたことを言ったり、したりする。
脳の機能が衰えてしまっているなら、それは狂気とは言いたくないです。
ただ、周囲が大変なだけです。
朝6時に電話がありました。
「ここはどこ?狭い。荷造りしたから地元に帰ります」
軽度アルツハイマー型認知症と診断されたこと、先生が経過観察と言ったことを、怒らずに丁寧に淡々と説明します。
「次はMRIを予約してるんだよ」
「MRI。それはそうやったね」
所々記憶に残っているみたいです。
30分ほどして、また母から電話が入ります。
も~~~!また!?付き合いきれない!!
今度は長々と離していました。
「あんねあんたに話しておかんといかんと思ったんやけどね、施設に泥棒がいて、不審者が入ったの!宝石を盗られたんよ。ベッドの上に置いていて、戻ったらないんよ!!もうびっくりして息が止まりそう。そして、扉の向こうで気配がするんよ。ずっと向こうで気配を伺っている!」
こ、これは…
大丈夫なんだろうか。
どうしよう。頓服をお願いすべきなのか。
向こうの判断におまかせした方がいいのか。
昼に、ホームから電話がありました。
「外出したいと仰ってるので、こちらの者と外出しますね」
夕方に訪れると、とてもご機嫌です。
施設によると、お昼に半錠、頓服を飲んだみたいです。でもそれほど変わらなかったとか。
「買い物に行ったの?」
「とても楽しかったんよ!」
とニコニコしています。
ヤカン、薬、化粧品などを自分で選んで、楽しかったことを離してくれました。
そこにオムそばちゃんが入ってきました
「おばあちゃんったら~!鍵かけてないじゃなーい!侵入者が入ったらどうするの!」
このバカ娘~~~~!!!!!
一気に表情が暗くなっています。
せっかく、いい気分でいたというのに…。
子供のこととはいえ、ガックリです。
→→ 様子伺い 3 に続く