今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

新しい施設で 1

最近、支離滅裂な答弁をされる政治家の方を見てもすべて「あっ、認知症?」と思うようになってしまいました。
職業病ならぬ、介護病みたいなものでしょうか。

 

経験による知識もあるのでしょうし、政治は特に慎重に行動した方が良いのでしょうけど…。
失言なども、
忘れてるだけなんじゃ!?
と思うようになってます。

 

 

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~~ 新しい施設で 1 ~~

 

 

この2分と待てない感じはまさしく母です。
元気だった頃もそうでした。

 

この我慢ができない、待てないのはやはり、年を取るにしたがって顕著になっていました。
晩年の父が相当に苦しめられていたと思います。

 

やっぱり大変と思うのかな。
いやいやいや~~、大変だったな~~~。
と思いながら、お薬(リスペリドン)を使うのが妥当なのかどうかおたずねします。

 

「お薬を使わなくてもいけるものなんでしょうか?」
「つまりはやっぱり、介護する人、ご家族であったり介護士さんであったりが大変なのかどうかということに尽きます」

と仰っていました。

 

そりゃそうです。
ごもっともでした!
どれだけ介護士さんが大変になるのかどうかは、過ごしてみなければわかりません。

 

ちょっと使わないだけでこれとは…。
でも、私がいる時だけなのかなあ???
私を見て興奮してるのだろうか?

 

プライドが高くて集団生活を嫌う母がグループホームに入るタイミングを見計らうのは難しかったことでした。

 

今までの母なら、この施設はまったくアウトだったと思います。
でももう、今の母はそんなことあまり気にしていないようでした。

 

どこまでが母なのか?
どんどん曖昧になっていきました。

昔ならとても気にしていたこと、母の気性ならそれは嫌だろうなと思うことが、なくなっている所もあります。
 

家に帰ってから夜にオムレットくんに報告します。
「はさみをね、全部、持って来ないで下さいって言われた。つめきりばさみもだって」

「つめきりばさみも?」
「以前、それで体を傷つけてた方ががいるんだって」

 

オムレットくん、この頃はもうもう本当に何もかも完全に忘れています!何一つ覚えていません!!という態度を取っています。

 

一方、私はまだもやもやが残っています。
お酒も飲んでいなかったし忘れるなんてありえない…。

 

売り言葉に買い言葉でひどいことを言ってしまうことは人間なのであるにしても、心の奥底にそういう気持ちを抱えている、ということだけでダメージだったんだと思います。

 

そんな事を考えていると、オムレットくんが出し抜けに言いました。

 

「でも、はさみがなくても歯はあるよね?」
「いや~、歯まで気にしてたらきりがないような気もする」
「だってりきちゃんに噛み付いたでしょ」
「えっ?」
「噛むっていう選択肢がない人はないんだよ。おばあちゃんは噛むっていう攻撃方法がある人なんだなって思った」

 

家に帰る!帰らない!で施設の前でもみ合いをした時のことを言っているみたいでした。

 

あの時のオムレットくん、わりとのんきな感じで面白そうな顔をして見物しているな~!
人事だと思って!

 

・・・と思ったのに、かみついたことをよく覚えているんだな~、と思いました。
というか、忘れないか…。
強烈だったものな~。

 

そして、あのかみつくおばあちゃんと私を同一視していたのか…。
あんなもみ合いは、自分にはやれない、と思ったのかな。
それがまたへこみます。

 

認知機能の低下と、言葉でいうと一言なのですが、その中にはあらゆる「一見すれば異常と見える行動」があるんだな、と思いました。

 

 

 

 

 

 

→→ 新しい施設で 2 に続く

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