今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

逃走劇 4

 

おばあちゃんはお昼は仕出し弁当を頼んでいます。
私も食べてみました。
なかなか味が美味しかったのですが、やはり毎日だと飽きてくるはずです。
 

最近、仕出し弁当のセットを見ると、おかずは食べているのですがご飯を大量に残しています。
ご飯もそんなに残るほどたくさん入っているわけではないのに。
 

この前、久しぶりにおばあちゃんが外で食べたのはお蕎麦定食でした。
1400円もする高いやつです。
炊き込みご飯とお蕎麦と天ぷらの付いた豪華なセットでした。

 

これは完食でした!!!
そうだよね~。
おばあちゃんだってやっぱりおいしいご飯の方がいいよね。

 

まだまだ体が動くうちは、外に連れ出してあげようと思いました。

 

 

私は薔薇が大好きなのですが、こんな専門誌があるとは知りませんでした。

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dufymone-rose.hatenablog.jp

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これは丸の内の三菱一号美術館の庭に咲いていたバラの写真です。

 

おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 

~~ 逃走劇 4 ~~

 

どのくらい粘っていたか正確に思い出せません。
母は、戻りのエスカレーターの方に動いたかと思うと改札に戻ります。
切符売り場に鼻を突っ込むようにしてかがみこみました。

 

「だから何で売ってくれんの!?おかしいじゃない!わたしが!」
「でもね、おばあちゃん、ご家族がこうして反対されてるじゃないですか。それはやっぱり、もう一度ちゃんとお話されたほうがいいんじゃないですか」

 

駅員さんが一番冷静でした。
こんな対応は慣れてられるのでしょうか。丁寧に、ゆっくりとお話してくれました。

 

「なんで?この人たち関係ない。わたしがわたしの家に帰るんやもん。同意なんているわけないでしょ?売ってくれればいいだけ!」
母はきょとんとして、それから得意げに言ってます。

 

「いいから売って!切符!早く売って!」
「できないですね」
「できないって?」
ずいぶん長いこと押し問答していましたが、最後に駅員さんは静かにきっぱり言ってくれました。
「同意がないと、売れないです」

 

これは一番ありがたかったです。
何よりもありがたいと思いました。

 

おばあちゃんはさすがに、これにはぐうの音も出ない様子でした。
「あっそう」
と言って切符売り場の窓口を離れました。

 

改札前をうろうろと行ったり戻ったりします。
ついに駅員さんが売り場から出てきて加わって、押し問答に発展しました。

 

時計をちらっと見ました。
母が目ざとく聞きます
「過ぎたの?時間過ぎたやろうね」
「うん、そうだね」
時間はとうに過ぎていました。
今からでは別口で切符を買うしかありません。

 

「もう過ぎたから帰るしかないよ。お母さん、仕方ないでしょ。いったんうちに戻るよ!」
「なんでぇ?」
「だって仕方ないでしょ!!!!こんな騒ぎ起こすからだよ!!!」

 

母はまだがんとして動きません。改札前をウロウロしています。
駅員さんが声を低くして言いました。

 

「お年寄りはもうね、子供みたいなものだと思うんですよ。ゆっくり待ってあげて、話をしてあげてするしかないと思います。大変と思いますけど、いたわってあげてくださいね」
思わず涙が出そうになりました。

 

「おばあちゃん、大変だよ?これから台風になるらしいよ!」
隣の窓口で切符を買ってくれていたサラリーマン風のおじさまが、事情をみて話しかけてきてくれました。
「ねえ、こんな天気じゃ行けないよ!おばあちゃん、今日は帰った方がいいよ~?」

 

それでふっと空気が変わりました。
「もうばあちゃん、帰ろ」
くるみくんが言うと、母はやっと帰りのエレベーターの方に歩き始めました。

 

 

 

 

こんな所で何ですが、当事の小田原の駅員さん、あのお隣のサラリーマンの方、本当にありがとうございます!!

 

→→ 逃走劇 5 に続く

おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 


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