今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

一難去ってまた一難 2

 

なんだかブログに向かうのがすごくすごく久しぶりのような気がします!!
オムそばちゃんの風邪も落ち着いて。看病している間に自分も割と休めました。

 

本当に具合の悪い時、オムそばちゃんは自分で布団にもぐりこんでもう出てこようとしません。
長いことずっと、すーすー寝ています。

 

その横についてると、私までぐっすり眠ってしまいました。
起きてみたら…。

 

オムそばちゃん、勝手にラーメンを作って、勝手に映画を開けて(この前録画したナウシカです)おまけに隔しておいたゲーム機まで見つけて、とても楽しそうにしていました!!!

 

捕まって布団に戻されましたが、もうすっかり元気になっていました。

 

 

 

 

アイマッサージャー!

 

おばあちゃんが認知症になったお話 → 目次

 

~~ 一難去ってまた一難 2 ~~

 

 

前回ほったらかしにしていた一難去ってまた一難、の内容なのですが...。

 

もう皆さんおぼえてらっしゃるかどうかも定かではないですが、続けてみます。

 

なんと、母のとても頼りにしていた所長さんが異動されることになってしまったのです。

 

施設に付くなり、どこからともなく私を発見した母がバタバタと駆け寄ってきます。
そして、
「あんた!!所長さんが、所長さんが変わるんと!ここからいなくなるんよ!!」
と叫びました。
私も、おかあさん騒がないでとたしなめるより先にびっくりが先に立って
「えーーー!!」
と叫び返してしまいました。

 

「いやー、ばれてしまいまして…」
所長さんは苦笑です。
「しまった~!という感じなんですが」

 

職員さんがたがこれも苦笑しながら
「お母様、付いていかれるんですって。おっかけて転居するっておっしゃっています」
「まじですか…」

 

母は興奮しています。
わたしは!あんたがいるから!ここに来たんやからね!!でなけりゃ引越しなんてするもんかね!住み慣れた場所を捨ててまで…なんで引越しせにゃならん?ここで我慢してるのはあんたがいたからやから!引越しする!一緒にそっちに行くわ!!」

 

こりゃ大変だ。
一体どうすればいいんだろう。

 

皆でなだめすかしてなんとか自室に引き取りました。
さて、大丈夫なのかなあ。

 

さすがに所長さんを追っかけて転居するわけにはいきません。
家を売って不安定になっていたところを、ずいぶんご尽力いただいてまたやっと落ち着いてきた頃のことでした。
母にとっては色々と踏んだり蹴ったりです。

 

正直、母は家を売ったことはもう忘れかけていました。

 

状態にはとても波があります。
はっきりしている時と「接続できていない」時との差が大きいです。
親戚に会ったことも時間がたつと忘れていたり、思い出したりと色々です。
「沢山の人に会ったので不安だったんよ。おばちゃんはお母さん(母の母です)に似ているやろ?そんなおばちゃんが年取ってるのを見たらあんまりそっくりで、お母さんが生きているか死んでいるか曖昧になった」

 

母は、「接続できている時」には、ずいぶんはっきり説明してくれます。
こういう時は、騒いでいたのもそういう事だったのか。なるほどな~!と思えるのです。

 

家を売ったことも、どこかでちゃんとわかっていました。
しかし、前ほど家に帰る家に帰ると言わなくもなっていました。
どこかで、ここがうちだ、という認識も芽生えていました。
そこで精神的な支柱のようになっている、よくしてくれる方がいなくなってしまう…。

 

ここからどんな感じになってしまうのか、想像もつきません。

 

 

 

 

しばらく、母はとても落ち着かなくて、イライラする一方でした。
夕方の食事時にひどくイライラして、食事を作っている最中にも「帰る帰る!通帳通帳!」と連発です。
久しぶりのことなので、子供たちも感情がついていけません。
『治ったと思ったのに』
とどうしても思ってしまうみたいです。

 

治る、ということはない…というのを、自覚するのは本当に難しいことでした。


ガンなどのように、そこに原因をもっていくことができる明確な理由のようなものがあるわけではないのです。
「年を取る」ということそのものが、こどもたちにはまだ理解できません。

 

帰ってから、オムそばちゃんがぽつんと言いました。
「おばあちゃん今日おかしかったね」
「やっぱりね、家を売ったのがショックだったんだよ」

 

この頃から、家につれて帰って食事をするよりも、母のためにお弁当を持って行くようになりました。

 

 

 

 

→→ 一難去ってまた一難 3 に続く

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「黒白スワンレードル」 Black Swan / White Swan