ホテルで回復
ホテルがすごくいい所でした。気持ち良すぎです。
オムレットくんが、鼻高々です。
ああこんなに食べてしまって、おなか一杯で…。ぼんやり思い出します。
母は施設で食べられない状態になって…。
だめだ…考えたらだめだ…。
母は、よくわたしと旅行に行きたいと言っていましたが、じゃあ行こうと提案すると、いつも断られていました。
変な所でへそまがりで、遠慮をするし、頑固でその意見を崩さない。
そして、こんな時にはと、家の売却のときにとった旅館、あれもよい旅館だった...。
パニックになってしまい、全くくつろげずに大変だったなあ。
母にとっても、記憶が途切れて「いきなり見ず知らずの所にいる」「何かおかしい」という状態は、かなりのストレスだったことでしょう。
だんだん、体もむしばまれていたのかもしれません。
頭が痛いです。
「くるみくん、ちょっと熱を計ってみてくれる?」
くるみくん、それはそれは喜んで、非接触型温度計を持って来ました。
額にかざして、三秒で計れます。
「37.4」
「そうよねそんな感じするわ」
10分後にもう一度、計ってもらいます。
「37.7。危険」
くるみくんが言います。
「ええええ~~」
オムレットくんがあたふたはじめました。
「そんな、大丈夫なのー!?」
「大丈夫、疲れただけ。この頭痛いのはそうだと思った」
くるみくんが何度も測ってくれましたが、結果は変わりません。
「いや咳もないし、肺も痛くない。頭痛薬飲めば…」
「だめだよー!最近、飲みすぎだよ!」
うーん。
確かに、本当にヤバい何かだったら、それを判定するためにも、頭痛薬は呑まない方がよさそうです。
解熱されてしまいます。
今日は運動会、昨日は母の話し合い、しかも歯医者で麻酔もかけました。
歯医者の麻酔は、やっぱりちょっとした手術みたいなものです。
麻酔のあとがひどく痛みます。
歯は神経を取っているので痛まないのですが、注射の針を入れた所の歯茎が痛いです。
これが一番大きい気がしました。
それでも、よいホテルでよいベッドなので、そのままぐっすりと眠ってしまいました。
まだ早い時間なのに。
ホテル楽しみたいのに~!と思いながら、夢も見ないで深く長く眠りました。
朝起きたら、すっきりと頭痛もなくなり、熱も下がっていました!
結局、薬も使いませんでした。
回復度合いがものすごいです。
ベッドがすごく良いです。良すぎです。
もともとホテルのベッドは寝心地が良いですが、ここは格別でした。
「逆に眠れない」
青い顔してるのはオムレットくんの方です。
「ええっ、すごくいいベッドなのに。そんなことあるんだ」
「ぼくはベッド合わないんだ。しかも部屋が乾燥してる」
かわいそうなたぬきです。
* * *
今回の旅行の目的は、オムレットくんのお父さん側のお墓参りです。
オムレットくん、ずーーっと行きたがっていました。
オムレットくんは東京で生まれ育ちましたし、お母さんも神田の出ですが、お父さんは岐阜出身です。
でも、小さいときにいつも、お休みになると出かけていっていつも遊んでいたようなのです。
しかしそうそう行ける場所でもないので、わたしも来たのは二度目です。
その時は、名古屋に泊まったりせず、直接、岐阜に向かいました。
くるみくんがまだ赤ちゃんでベビーカーに乗っていた頃です。
必死だったのでほとんど覚えていませんが、段々になっている広いお墓が並んでいる所と、とても自然豊かだったけれど、それほど田舎ではなかったことなどだけ、記憶に残っています。
岐阜に咲いていた何気ないお花です 。