白くまさん、朦朧となる
白くまさんが覚えるべき、あと二割の引継ぎ。
残念ながら、最もパソコンのスキルを必要とする部分であり、しかも一年に一回なのです。
これは本当に厄介です。
教えたとしても、実際にこれをしなければいけないのは1年後です。
そして、白くまさんはデジタルが超の苦手です。
どう考えても、覚えているとは思われません。
でも引き継がないわけにもいきません。
他に、引き受けてくれそうな人がいません。
みな、それなりに仕事を持ってしまっています。
ゴリラさんは、知らん顔です。
一切、ノータッチ!
(誰がこいつをこの立場に置いたんだ~!)
正直、ゴリラさんなら、1日ぐらいで全部終わらせられるぐらいわかる人なんだけどなー!
ちゃんと説明して、親切に教えてくれさえしたらな…。
絶対、無理だろうけど…。
ゴリラさんに手伝ってもらうことを提案したいですが、白くまさんもそれだけはイヤみたいです。
まあ、そりゃそうか…。
「とりあえず1年後には忘れてしまっているにしても、一応話は聞いておかないと」
「それはそうです」
「それと引継書を見ただけで、本当にできるのか目の前で試してみる」
ということで、やってみました。
このやりとりを、5回は繰り返しました。
次の日になると、
「それと引継書を見ただけで…試してみる」
というところに戻ります。
イヤイヤながら、本格的に引継ぎを聞こうという気持ちが芽生えたらしく、やろうとした白くまさん、開始5分後にすでに生あくびを始めました。
ここでは集中できないというわけで小部屋に移りました。
(色々、突っ込みどころ満載です)
引き継ぎの話よりも、
「いなくなるとつらい」
という話の方が八割ぐらいです。
私がつらいです。
* * *
しかし、不思議でも何でもないことなのですが、辞めるというのがやっと確実になった途端に、わたしはスッキリ!と朝起きることが出来るようになりました。
あまりにも体が軽くなり、掃除もして、食事も作れるようになりました。
これは…新型うつだ!
心が軽くなったので、白くまさんへの引継ぎにも、なんとか対応することができました。
引継ぎも、愚痴をやっと聞き終えて、本題に戻ると、白くまさん、船を漕ぎ始めました!
白くまさん、自分でも
「嫌なことをやってるから意識がシャットダウンしてしまう」
と言ってました。
引継ぎを始めようとすると寝る。
あまりにも唐突なタイミングです。
これはもしかして気絶?
一事が万事この調子です。
6月に辞めることを伝えてから、今のこの8月半ばまで、地獄のような引き継ぎ生活を送ることとなりました。
7月あたりに、白くまさん本当に様子がおかしくなりはじめました。
10キロやせたと言っていました。
そして、何と休日にワン切りが入っていましたー!!
えええええ。
ちょっとどうしようかと思いました。
すると、ワン切りでは終わらず、本人から電話がかかってきました!
「ごめんね、間違えた」
と、律儀にもかけなおしてきたのです。
さすがに、この事態で、このタイミングのワン切りはまずいと思ったようでした。
そして、次の週には…。
朝の7時に、今度はワン切りではなく、本当に電話がかかってきました~!
朝の、7時に!
「今日は来るよね!?」
という確認です。
オムそばちゃん「こわいこわいこわい!何なの!」
くるみくん「もう辞めちゃえよ。辞めていいよ」
子どものころ、シャラシャラ...と鳴らして遊んだ懐かしい草です。