今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

お掃除と料理

 

さて、仕事もやめ、おばあちゃんにも会えないとなると、やることは一つしかありません。

 

お掃除と料理です。

 

これがこんなにも、時間を取るものとは思いませんでした。
あっという間に時間が過ぎていきます。

 

しかし、恐ろしいほど健康的にはなりました。
朝も、五時起きなんてラックラクです。

 

今のところ、オムレットくんの弁当、毎日欠かさず作ることが出来ています。

 

 

 

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おばあちゃんが認知症になったお話 → 目次

 

 

このあとに、つらいパワハラ場面に一日中つきあって、グッタリとなることがない、となると、5時だろうが、たちまちぱっちりと目覚めることができます。
人間なんて現金なものでした。

 

まあ、今だけかもしれませんが、お掃除も洗濯もバッチリです。

 

ずっと以前、専業主婦の人がPTAの関係で、うちに来たことがありましたが、それは午前中で、わたしは食器を洗っていませんでした。

 

すると、
「まあ、洗い物してないじゃない!こんなに残しちゃって!私が洗ってあげようか?」

 

うーん。
まるで、よくあるコミックエッセイのイヤミな姑のようだ。

 

あまり考えることなく、ポンポン口から出してしまう人で、悪気がないのもわかっているので、スルーしましたが、こうしていまだに思い出して、こんな所に書いちゃったりしているあたり、けっこう根に持っていたのかもしれません。

 

* * *

 

オムレットくんも、「お弁当を作ってもらうこと」というのに、だいぶ慣れてきました。

 

前は、「おはしがない」「袋がない」とか、これまたコミックエッセイに書かれてしまいそうなダメ夫のような台詞をたくさん吐いていましたが、最近は袋をおいてある場所も覚えて、だまって自分で入れています。
ほったらかしにしていると、自分でやる。
これがいつまでも「おはあしは?」「袋は?」とされていたら、それはいらいらするかもしれません。

 

しかしです。

 

子どもたちが、いつまでも家にいるのです。
というのも、コロナがあまりにも拡大してしまったせいで、夏休みがのび、さらにリモート授業になってしまったのです!

 

これはけっこう、厄介です。
普段なら、塾に行けとか、図書館に行けとか言って追い出しますし、わたしが家にいないと、何となく子どもたちも外に出てしまっていました。

 

しかし、今は、家にずーーーーっといます。
行けと言ってもまったく行きません!

 

もしかして、甘えているのかなあ。
コロナもあるかもしれませんが、やっぱり外で働いている方が自立心はつくのだろうか。

 

失業手当がもらえる間は、少し休んで家にいたいと思っていましたが、先行きも不安だし、案外はやめに決まってしまうかもしれない。

 

とりあえず今は、お弁当を作って、朝ごはんを食べ終わった頃に洗濯物が出来上がって干すことができるというよろこびをかみしめています。

 

* * *

 

そんなとき、電話がありました。

 

今度は施設からではなくて、往診してみてもらっている医療センターからです。

 

最近、とみに食事をとらなくなっていること。
少しずつ、起き上がることが少なくなっていること。
経口の栄養剤は使っていますが、このまま、取らない状態が続けば、それほど長くはもたないこと。

 

そして、もし何かあった時は、エンジェルケアといって、きれいに体をふいたり、お化粧をしたりすることを要望しますか、とたずねられました。

 

二回目に会いに行ったときの、般若になっていたおばあちゃん。
この出来事は、相当に参ってしまっていました。

 

開けても暮れても、やっぱり会いに行かないと、と思ってしまいます。
でも、今回ばかりは、介護施設もかたくなです!
あまりにも感染が拡大してしまっているので、仕方ないとも思うのですが…。
それに、最後の引継ぎの大騒ぎが重なって、もうめちゃくちゃになっていました。

 

さて、辞めた時から二、三日たって、しかも医療センターからこのような電話をもらい、私は考え込みました。

 

どうしても会わせて欲しいと、介護施設を統合している本部に電話するべきか否か。

 

 

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