今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

錯乱 3

 

いつも無口なくるみくんですが、今朝はなんとなくおしゃべりしながらうろうろしていました。
「今日は雨が降るのかな~?振らないかな~?」

 

「降水確率は80%だったよ」
声をかけると、聞こえているのかいないのか
「でもな~、お母さんが家の中に洗濯物を干してるから降らないだろうな~」
と続けます。

 

ここ3、4回、洗濯物を干した時に限って雨が降ることが続きました。
にわか雨や通り雨。どうして今!?
ということが続き、「なんで今降るの!?私が干した時は降るんだな~」とぶつぶつ文句を言っていたのを覚えていたようでした。

 

「うちはお母さんが洗濯物干すと雨が降る。お母さんが家の中に洗濯物干すと雨は降らない。うちのバロメーターはお母さん。じゃあ傘持って行くのやめよ」
くるみくんは、私のことはお母さんと呼ぶのですが、なぜだかオムレットくんのことは「おとっつぁん」と呼びます。
どこで覚えた言葉なのかな???

 

今日は降ると思うけどな~。

 

 

 

この写真はいつのだったか…。
確か、水菜と豆腐のサラダだったと思います。
見た目はアレですが美味しかったのでぱちりと撮ったのですが、今改めてみてもやっぱり見た目がアレですね。
美味しかったんですけどね😅

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おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 

~~ 錯乱 3 ~~

 

 

パーティションを区切られた席に案内されました。
担当者の方が目の前に座って、
「今日はどうされましたか~」
と聞くと、また「しません!」と言います。

 

担当者の方と、最初に応対してくださった窓口の方と二人で対応して下さったのですが、話は難航しました。
窓口の方はとても協力的で、早くやろう!!という感じなのですが、担当の男性の方は非協力的でした。
「うーん」と言ってずっと苦虫を噛み潰したような顔をしています。

 

なかなか手続きに入ろうとしてくれません。
定期の通帳を開けたりしめたりひねったりしています。
窓口の方が積極的にどんどん手続きを説明して、先にすすめてくれました。

 

ずっと母の担当をしていてくれて、定期の更新のために通帳を持ってきてくれたりしたのも、この方のようでした。
私が詐欺師のようであやしまれているのか?
本当にここで解約してしまって、あとでトラブルになりはしないか、心配しているのだろうか?
そういう事ではない感じがしました。
郵便局にも定期のノルマがあって、解約して欲しくないのではないかと感じました。

 

母がぴょんと立ち上がりました。
「しない!私は何もしない!」
そして、私の顔の真ん中に人差し指をつきつけて、目をぎょろぎょろさせてにらみつけます。
しわだらけで、顔色もどす黒く黒ずんでいて、(目の回りは打ち身で)実の母ながら、魔女そっくりでした。
「あんたは、亡者!金の亡者!見て?みんな見て?この人、金にぴょんぴょん飛びつくカエルのような顔をしているよ!!」

 

「…………」
郵便局の人たちと私の三名が二の句が告げないでいる間に、さっと母は席をはずしました。
でも、郵便局から出て行こうとはしません。
局内をウロウロしています。

 

引越して、うちに近い場所にワンルームマンションを借りるのも一つの手だな。
日中は仕事もあるしデイサービスに助けを借りようかな。
お昼はお弁当を作ればいいし。帰ってからは私が面倒をみて…。
母の好きな美術館にももっと自由に行けるようになるだろうな。
そんな風に想像していた未来予想は、この騒ぎの間にどんどん薄くなって消えていきました。

 

担当者の方が私に聞きました。
「どうしますか?」
「出直します。お騒がせしました」
私はあきらめました。

 

局の外に出ると、怒りが湧いてきました。
「何?さっきのは一体何なの?」
「何が?」
「近寄らないで!!気持ち悪い!!」
「気持ち悪いって何が?」
「何がじゃない!!もう面倒見切れない!!勝手に一人で暮らせば!私はもう知らないから!!」

 

母を置き去りにして、どんどん歩き出しました。
オムそばちゃんが走って着いて来るのだけがわかりました。

 

 

 

→→ 錯乱 4 に続く

おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 


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