錯乱 5
オムレットくんは弱音を吐いたのですが、やっぱりお料理はしたいらしく、今日も
「今日はシュウマイを食べたいから作る!!」
と主張してお肉と皮を買ってきました。
横でお片付けしながら副菜とお味噌汁を作りました。
片づけや掃除は子供たちに大部分手伝ってもらうことにしました。
これが案外、大変な作業なのです。
当然、ぎゃーぎゃー言わないと動かないのですが、オムレットくんは子供たちにぎゃーぎゃーいう声を聞くのが大嫌い。
子供たちもわかっていて、お父さんがいる時は甘え放題です!
しかし、もうそんな事も言っていられません。
洗濯物取り入れて!たたんで!しまって!ゴミ集めて!分別して捨ててきて!洗い物ふいて!しまって!お風呂洗って!宿題終わった!おもちゃしまって!
…とやってます。
自分がうるさいです。
シュウマイは、こんなに寄せてしまうと当然、出来上がりはすっかりくっついてしまいましたが、味はとても美味しかったです!!
子供たちにも大好評でした。
~~ 錯乱 5 ~~
「お母さん!さっき大変だったの、何も覚えてないの?」
「大変だった?あたしが?」
「そうだよ!すごい騒ぎだったじゃないの。何も覚えてないの?」
(金にぴょんぴょん飛びつくカエル!)
またかーっと頭に血が上ってきて、必死で抑えました。
こっちはさっきの出来事ははっきり覚えています。
悔しいのを押し殺して涙が出そうになりながら、再び、二月からの経緯とさっきの言動までを順序立てて話しました。
「だから!!(以前からのホーム探しの話)それで!!!(ご近所からの電話)何度も言ったけど!!(物盗られ妄想)お母さんが!!!(迎えに来てくれと言われた)」
ひたすらループです。
今日は病院の先生にも
「認知症の初期症状なことは間違いないと思われます」
と言われた事実があるので、説得力があります。
「私そんなこと言った?へえ?そりゃおかしいわ」
本人がびっくりした顔をします。
「そりゃ定期も解約しないと。当たり前やわ」
「えっ…ほんとうに???」
「そりゃそうよ」
「マジで???」
今しかないかもしれない。
「じゃあ行こう。今行こう」
「うんわかった」
コーヒーを飲み干す時間ももどかしく、郵便局に戻りました。
さっきの窓口の方を捕まえます。
「まだ間に合いますか?どうか手続きよろしくお願いします!!!」
3時50分のことでした。
担当の方も、むっつりしていましたが今度はすんなりと応じてくれました。
母はサインをし、無事に定期を解約して普通預金に入金しました。
ついでに、家に放置されていた何かの書類を市役所の分室に提出までして、この日のノルマはすべて達成。月曜日は終了しました。
終わった…。
終わった!!!
ぐったりです。
良かった、本当に良かった。
これで家に帰れる。
オムレットくんとくるみくんの所に…!!
夕方から夜にかけて、ご近所の方の挨拶回りをしながら、ごみの片づけに終始しました。
引っ越しサイトを見ながら電話、水道、電気、行政などの手続きが必要なリストを作ります。
スプレー缶の始末に悩まされた記憶が残っています。
たくさん検索して、マスクをして換気をしながらしゅうしゅう中身を出しました。
排水溝も、むかでや言いたくないようなその他諸々が入ってくる入口になるので、ふたをして重石をしました。
ついに7月25日の火曜日です。
この日には関東へ帰らないといけません。私も緊張しました。
この状態で本当に連れて帰れるのか、不安しかありません。
→→ お別れ 1 に続く