今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

お別れ 1

 

家に荷物を送る時、大量の絵葉書をどうしようか迷った挙句につかんで段ボールに入れて送りました。
母は美術館通いが大好きで、買いためていたのです。

 

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おばあちゃんの絵はがきどうしよう。
綺麗だけど、このメールとLINE時代に使うあてもない。

 

そうだ、こんなのがありました、とアップしてみてはどうだろう!
でも著作権とか問題ないのかな…。

 

かなり色々と調べてみましたが、絵葉書をアップするのは基本的には無断転載にあたるようです!

 

ですが、その絵本体の著作権が消滅している場合と、解像度も極力小さくして「こんなポストカードを買いました」程度なら二次利用にはあたらない…との見解があったので、昔懐かしの母の思い出として、写真もかなり小さくして、ときどき遠慮がちに載せていこうかと思います。

 

そして、悲しいですが…
UPした後の絵はがきには、さようならをしようかと思います。
今までありがとうと言いたいです。

 

何への感謝なのかわかりませんが…。

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真鍮コンパス / 方位磁石 / アンティーク

 

おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 

~~ お別れ 1 ~~

 

 

午前中。最後の片付。お友達や親戚に電話。運送屋さんにまた荷物を頼みました。
チャイムが鳴って出てみると、若い女性です。


「おはようございます。奥さんいらっしゃいますか?この地区の担当ケアマネです」
ケアマネさん!!!まさかこのタイミングで!!!
「ちょうど、ご連絡しなければと思っていたんです!!」
デイサービスの方に私が行くことをお話し、ケアマネさんへの連絡もお願いしていたのですが、これは本当に偶然だったようでした。

 

ざっと事情を説明しました。
先生とお話した事もあわせて色々お話して、今後が固まりました。

 

こちらのケアマネージャーさんから、関東のケアマネージャーさんに引継ぎをすること。
「要介護度」が重要になってくる。
要介護度は「要支援1・2・要介護1・2・3・4・5」までランクがあり、母は今、もっとも軽い「要支援1」である。

 

話では確実に上がる(重くなる)と思われるが、これは専門の「認定調査員」が毎年行って決める。
認定調査のためにも、早急に認知症専門の病院に行って、診断をもらった方がいい。
介護度によって、入れる施設も選択肢が増えたりするので重要、要介護にはなると思うが認定調査によるので、はっきりと言うことはまだできない。

 

「記録はつけていますか?」
「はい。つけています」
「それがあるとかなり有効だと思うので、あちらのケアマネさんに話して下さいね」

 

とりあえずは私の家の地区の地域包括支援センターに電話をしよう。
しかし、介護施設が決まった時にその地区のケアマネさんにまた引継ぎかもしれない…たらいまわしにならなければいいが…。
丁寧に教えて頂いたので、よくわかりました。
最後の心残りがなくなり、する道筋が決まったのでだいぶ楽になりました。

 

「お母さん、お墓参りに行くよ」
そううながすと、オムそばちゃんが聞いてきました。
「もう行くの?今日帰れる?これでもうこのまま帰ってこないよね?」

 

私もその時まで、少し迷っていました。
荷物を置いてお墓参りに行き、いったん家に戻るかどうか。
母は、重ねて説明した時にはそのようにしようと言っていて、一旦戻るね、戻るね、と言っていましたが…。
一旦戻ってからさて出かけようとした時に、昨日のような錯乱状態になってしまったら、電車に乗り遅れるかもしれません。

 

それほど、昨日の郵便局で見せた大騒ぎにトラウマがありました。
正直な話、あの大騒ぎは幽霊の怖さも完全にふっとばしてしまうぐらいのインパクトがありました。
なので、最後の夜はほとんど恐怖を感じませんでした。

 

なので答えました。
「うん。出るよ、このまま出る。もう戻らない」
詰められるだけの荷物は詰めて玄関に出しました。
仏壇に行き、最後にオムそばちゃんと手を合わせました。
それから、位牌を布でしっかり包んで固定し、母のバッグに入れました。
これを置いて行くわけにはいかない。一緒に行こう、お父さん。

 

タクシーを呼びました。
次は本格的な引っ越しの手続きに来る時でしょう。
こんな形でバタバタと生家をあとにしなければならないなんて思ってもみませんでした。
緊張と感傷で頭がいっぱいになっています。

 

庭の梅の木や、小さいときに植えたけどついに根付かなくて、いつまでも小さいままのくりの木など。
すべてが懐かしいと思いました。
この家に、普通に住んでいる母を見るのはおそらくこれが見納めです。

 

いつもわがままを言う甘えっ子のオムそばちゃんが静かでおとなしくしていました。
そしてお気に入りになったねこのぬいぐるみをしっかり抱いて離しません。
(お人形はダンボールに詰めて送りました)

 

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→→ お別れ 2 に続く

おばあちゃんが認知症になったお話 → はじめから

 


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