今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

騒ぎ 1

 

うちは、エビを飼っています。
オムレットくんが捕まえてきて、夕食のおかずになりそこねた運のいいやつらです。

 

前足を前後に動かしてははさみをちょきちょきする動きを、オムレットくんは「つまつま」と呼んでいます。

 

「エビのつまつま作戦を見て!」
と言うので何だろうと見ると、水槽が汚くなってます。

 

「これからつまつま作戦をする」
「つまつま作戦」
「隣の水槽に苔がびっしり生やす。ミナミヌマエビ移動させる。生物兵器によりコケがすっかり綺麗になる。これがコケ退治のつまつま作戦」
「なんでもいいからこんなに沼みたいになってると気持ち悪いから早く掃除して!!」
「ええ~…」

 

しかしオムレットくんも会社あり、ご飯も作り忙しいので、水槽はいまだに沼のままです…。

 

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~~ 騒ぎ 1 ~~

 

 

やばい。
気付かれたっ!

 

「あんたね、それは泥棒よ!」
「うう…」
一言もありません。
 


「だってお母さんどうするつもりなの?けっこうお金引き出してたよね!帰れないから。困るから!!それはダメ!!」

「ダメじゃない!泥棒よ?警察に言わんと。警察に電話する!!今から行って、電話してもらう!」
「好きにしなさい!!できるもんならやってみな!」
「薬を私が持っとくのがどうしてだめなん?だって私の薬やもん」

 

また薬に戻りました。
やっぱり、スイッチは薬のようでした。
 

従うか、従わないか。
決定権をどちらが握るか。
母と私の間で激しいせめぎあいがありました。

 

これが自宅にいたらつかみ合いになりかねません。
電話なので、電話口で怒鳴り合うだけですみました。

  

認知症専門医のお医者さんに予約しているのは三日後です。
母は権威主義的なところがあるので、「お医者様」が大好きです。
「あのね、お母さん!病院に予約してるから、それまでは我慢して!!」
「病院か...病院ね。そうね」
「そう病院!病院の予約があるから今は帰れないの!」

 

やっと切った耳がじんじん痛くなっていました。

 

母とケンカした時はいつも、けいちゃんおじさんのうちに行っていたなあ。
そう思って、気分転換もしたくなって叔父さんに電話をかけました。

  

「おじちゃん、やっと引越しが終わりました」

 

すると叔父は、まるでかかってくるのを待っていたように言いました。

 

「あんなりきちゃん、実はなお母さんから何度も電話が入って困っとるんじゃ」
「ええええっ?」
「『帰る帰る』言うての、きかんのじゃこれが」

 

うっそ~ん。
電話攻撃はうちにだけじゃなかったんだ!!

 

「いやのう、わしは言うたんじゃ。姉ちゃん、話が違うやねえか、あんたが自分でそっちに行くって言うたに。困るやねえかて。聞く耳持たんのよ」

 

まじですか…。
どうしよう。

 

いったいこれ、落ち着く日っていうのは来るんだろうか!?
やっぱり施設もちょっと無理ですって言われて出されてしまうんじゃないだろうか??

 

施設の中を走り回って錯乱しているかというと、そうでもないようなのです。
心配になって所長さんに電話をかけると、
「いや、ニコニコして機嫌よくしておられましたよ?」
なんて言うのです。
イライラやものさがしや興奮は、部屋の中だけで起きているようです。

 

どうしていいやら、さっぱりわかりません。

 

 

→→ 騒ぎ 2 に続く

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