病院 1
私は中華くらげが大好きです。
でもみんな、あまり食べません。
オムそばちゃんが少し食べるぐらいです。
オムレットくんが聞いてきました。
「くらげ好きなんだね?」
「うん」
「くらげ食べれるんだね?」
「うん?」
「それくらげだよ」
きょとんとしている私に言います。
「本物のくらげだよ。知らなかったの?」
「くらげ!?海にいる!?」
「やっぱり。なんとなく知らないような気がした。一体何だと思ってた?」
「きくらげか何かの白い種類のものだと思ってた。知らなかった。うへぇ」
しかし、本物のくらげだからといって、食べられなくなるなどということはなく、相変わらず食べてます。
コリコリしてとても美味しいです。
~~ 病院 1 ~~
今予約をしているのは、小さくはありませんが個人病院さんで病棟もないようです。
おすすめの大きな病院の名前を教えてもらいました。
少し遠いですが電話してみようと思います。
母に「明日病院に行こうと思う」と電話をすると、大変機嫌がよいです。
「今日は部屋中の片づけをしたからずっと忙しかったのよ、何か変わったことはない?」
「うん、特に変わったことはないよ」
完全に忘れている様子です。
何を片付けているんだろう。
めっちゃ不安です。
自分で帰るために出したものを、もとに戻しているんだろうか?
この機嫌のよさは、財布に入っているけっこうな額のおかねが影響している気がします。
自分がコントロールできているという自信を取り戻しているのかも?
いつでも帰ろうと思い、タイミングがあってしまえば、新幹線に乗って一人で帰ってしまうかもしれません。
しかし母は慎重なので、地元ではない場所で夜、動きだすことはない…はず。
朝、教えてもらった病院に電話すると、ケースワーカーさんという方が相談を受けてくれました。
「本来、初診は紹介状がいるので、まずはその予約している病院に受診して、紹介状を持ってきてもらうのが一番スムーズ」
との返答です。
うーむ。
出鼻をくじかれた。
話が戻ってしまいました。
母も前夜にとても機嫌よくしていたので、私もこれは1日2日はもつかな?という感覚がありました。
「わかりました」
電話を切ります。
そこに、母に新聞を届けに行っていたくるみ君から電話がかかりました。
「ばあちゃんようわからんけど、まじやばい」
「えっ!?」
「ほんとまずい。帰る帰るが止まらないし、荷造りっぽいことしてて、でもできないでいる。あれは危険」
まずい。これはまずい。
「くるみくん、知らせてくれてありがとう」
家に帰るのを待たず、すぐに電話してきてくれたのです。
あわてて母に電話をします。
「お母さん、明日の病院のことなんだけど…」
「病院!?病院て何?あんたの都合のいい病院になんて行かんよ!」
日曜日、錯乱していた状態と同じです!
「何で戻れんの?地元に帰る!!」
認知症は夕暮れ症候群というぐらいですので、夕刻が危険だという意識がありました。
母がいつも帰る帰るとなるのは朝です。
朝がまずいのでしょうか。
起きた時に景色が変わっていてとまどうから?
帰れない理由は、けいちゃんおじちゃんに迷惑かけたくないからだと、かさねて話しました。
(これが一番きくと思いました)
「おばちゃんも具合が悪いけど、おじちゃんも相当にまいっている。おじちゃんにこれ以上負担をかけられないよ」
「いい!!あそこには迷惑かけん。電話もせんし、しばらく会ってないのにどうしてあたしが負担かける?」
「いやいや、かけてるって!!」
「一人でやれるし!」→話はループ
→→ 病院 2 に続く