おじちゃんからの電話
久しぶりに、けいちゃんおじちゃんから電話がありました。
おじちゃんの方から電話がかかることはめったになかったので、とてもびっくりです。嬉しいです。
「おばちゃんな、今ショートステイに行っているからなんじゃ」
「毎日は本当に大変!休みを入れてね!!」
関東地方のいとこたちがいます。
同年齢でわたしと同じくやっぱりすごくおじちゃんにお世話になったいとこたちです。
この前、二人で一緒に旅行して、おじちゃんの所を訪れたと聞きました。
この二人のいとこ(男性です)も、結婚はしているのですがどちらも子供がいません…。
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じーっとただ座っていたおばちゃんは、母に比べればまだそれほど手をかけないイメージがあります。
今まで遠慮があって聞けなかったことを聞いてみます。
「おばちゃん、おむつ…つけているよね?」
「そりゃあそうじゃわ」
口ぶりからは、かなり前からもうすでにつけていたことを思わせました。
「おむつ、大変だよね」
「そらあもう、なあ、りきちゃん…そら大変なんじゃわ!」
付け替えるのもひと騒動のはずです。男性ならばなおさらです。
こんなサイトがありました。
私も母がオムツになった時が気になるので、ドラッグストアに行っては眺めています。
どんなに転ぶのが心配だとは言っても、母がまた転びました!と連絡が入っても、やはり、歩けるという、また歩く気力があるというのはありがたいですし、母のまだ生きている、生きたいという気力を感じます。
保育園の赤ちゃんたちも、仕事はほとんど一日オムツの交換で明け暮れると聞きました。
こっちが終わったら次はこっち。きりがありません。
介護とは、ひたすらうんちとおしっこの始末をすることです。
10人いれば10×5で1日につき50回です!
このサイトで吸水性の高いオムツを使い、頻度を減らすことが議論されているのを読んで、無理もないことと思いました。
そんな風に大変でありながらも…。
おじちゃんの家は、わたしの実家と同じぐらい懐かしい家です。
おじちゃんのうちは子供がいないため、建替えもせずにリフォームしただけでずっと昔ながらの平屋建てのまま変わりません。
いちどつぶして建て替えたうちとは違い、本当に子供の頃からの記憶が焼きついた場所です。
その場所でおじちゃん、いまひとりになっているんだな。
そう思いました。
どうして電話があったのか、わかる気がしました。
どんなに大変でも。
どんなに疲れても。
ひとりになった時に寒い冬の家の中で、ぽつんとひとりきり。
心底さびしいと思う気持ちが伝わりました。
たった一人で、片付けられなくなって家の中に座っている母を見たときに感じたのと同じ感情でした。
こんな風に、おじちゃんの方から電話をかけてこられるとは、余裕が出来たともいえます。
今まではそんな気力さえないという感じでした。
「施設もな、こちらは本当にあいてないんじゃんわ。まったくない。いつ空くかもわからんのじゃわ」
思い切って、少しだけ言ってみました。
「こっちは探せば開いている所もあるの…。いつかは来ることだから、いつかは…考えてみてね」
「それはわしが!わしが見らんといけんことじゃけな!動ける間はどうしてもわしがな…」
おじちゃん…。
「迷惑をかけまい」という心が伝わってきます。
でも、もしかすると…今、デイケアの人にゆだねられているおばちゃんより、心配なのはおじちゃん本人なんだよ。
ということがなかなか伝わらずに電話を切りました。
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