家を処分する日 4
オムレットくんは民放のバラエティ番組が大好き!
私はあまり好きではありません。
そして最近、オムレットくんは気がついてしまいました。
車の中にワンセグが入っていて、車を運転しながらカーナビの所でテレビが見られるのです!
もちろん画面は見られず、音声だけなのですが、家の中だけでなく車内でもとなると私が発狂しそうになりました。
色々と二人で妥協した結果、車内ではFMよこはまを流すことになりました。
これでしたら、割と私もストレスを感じずに聴くことができるので今のところはそれで落ち着いています…。
~~ 家を処分する日 4 ~~
けいちゃん叔父さんの家に行きました。
「もう会われんのかねえ」
そう言っていた伯母に、もう一度会わせてあげることができました!
「ねえちゃん!」
「あんた、久しぶりやなあ、元気かえ!」
喧嘩だったのか口論だったのかわからなかった最後の食事のことなど忘れたようでした。
ただ懐かしい、よく会えたという気持ちだけが伝わってきます。
そこは姉妹です。
母はしっかりした口調でおばを気遣います。
「あんた大丈夫なの?具合は?」
「うん、もうね、だいぶいいんやわ、ありがとうね」
そう言いながらおばは、叔父がたった今買ってきたばかりのおまんじゅうを手にとりました。
「ありがとうね、これ、もらったの」
と言って叔父に渡します。
はっとしました。
とっさに言葉がうまく出てこなくて、そんなの母の起こしてきた大騒ぎや健忘症に比べれば、なんてことはないはずなのに…。
叔父ちゃんはひどくイライラした様子で
「今わしがそこから買ってきたやつやねえか!」
と言います。
いつもそんな口調をしたことのない、優しいおじちゃんなのに…。
いたたまれない雰囲気です。
おじちゃんが叱るのも、やめてあげてなんてとても言えませんでした。
その気持ちがあまりにもよくわかりました。
おばちゃんは黙っておまんじゅうを置くと、すうっとリビングの方に移動してしまいました。
(キッチンのテーブルで話をしていました)
じーっと座って、テレビを見ています。
母も、同じです。
何もすることがないとき、ずーっと施設の自分の部屋で座ってテレビを凝視しています。
おじちゃんは、おばちゃんを無理に呼び寄せようとせずにちょっと私たちと話をしました。
母もなんとなくじっとして黙っています。
「色々と母も大変で」
と言ってから、
「おばちゃんのことも、大変なのでは…?」
と、おそるおそる聞いてみました。
するとおじちゃんは
「うん、あいつはまあ、おとなしいからの。素直やわ」
と言います。
た、たしかに…。
母は何としても意志を通そうとする強い力と行動力が困ります。
(おまけに腕力もそれはそれは強いのです!)
「夜に風呂場でのう、粗相しとっての。その後の始末をするのは誰やと思うとるんかのう…」
こ、これは…。
予想外にあぶないのでは…。
→→ 家を処分する日 5 に続く
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