今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

施設からの電話 1

 

連休中、山梨から帰ってからのことですが、突然電話が鳴りました。
「生命保険の人だよ」
私は言いました。

 

日帰りでしたが、やはり外出の後で、みんな(というか親ふたり)は、ぐったりと疲れていました。
オムレットくん、居留守を使います。
耳をふさいじゃって
「いません!いません!」
と言っていました。
生命保険さんはオムレットくんがいつも応対を担当しています。

 

 

 

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「確か今日、かけるって言ってたはず…」
「いません!」

 

朝にかかり、昼にかかり、夕方にかかります。
なんとなくずっと電話がかかってくる緊張感で二人ともあまり休めません。

 

「そんな不要不急の内容なの?」
「引継ぎをしたいから、次の人を連れて来る、ただの挨拶だって言ってたけど…」
「そんなことでこんなにかかるかな?」
オムレットくん、不安になってきたようです。
「こんなにかかるって事はもしかしたら生命保険さんじゃないのかもしれない。例えば、誰か死んだとか…」

 

確かに、何らかの連絡を取らないといけない内容かもしれない。

 

「じゃあ次は出よう」

 

だったらさっさと出てみて、今は都合が悪いと言うべきだったと思います。
ちょっと疲れているので、というのは若干言いにくいし、都合が悪いとなると、次はいつ、となるでしょうから、二人ともめんどくさかったのです。
たまに判断を誤ります。

 

そしてかなり夜ふけに、また電話がかかってきました。
オムレットくんが出ます。
「変わります」
私に電話を差し出しました。

 

私か!
電話に出てみると、施設からです!
緊迫した声です。
「あのう、お母様が…」
さっきオムレット君が言った言葉がちょっと頭をよぎりました。
誰か死んだとか…。
不安で胸がいっぱいになりました。
まさか…?
「あの、お母様が、目の下が痛いとおっしゃっていて…」
はい?
「目の下…目の下ですか?」
「すごく痛がっておられて…」
「確かに母は白内障とか緑内障とか持ってると思うんですけど」
「目ではないみたいですね…目の下の所を押されてます。そこがすごく痛いとおっしゃっていて。熱もないし、他に悪い所は何もないのですが…」

 

私を呼んでいる。
とっさにそう思いました。

 

そりゃそうです。もう随分経つのです。
3ヶ月も会わなかったら、母だってそうなるに決まっていました。
今まで何もなかったのが不思議なくらいです。

 

顔が腫れた事件を思い出しました。
あの時もそうだった。
環境の変化のストレスもあったと思います。
それほど、やはり今まで自分なりの筋と、我を通して暮らしてきた母には施設での暮らしは納得できないことなのでした。

 

母が私を呼び寄せようとしている。
すごく心配で、あれほど会いたいなあ、どうしてるかなと気になっていたにも関わらず、です。
こうだってみると、急に気持ちがみるみる落ち込んでいきました。
本当に勝手なものです。

 

 

 

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オムそばちゃんが公園のたぬきに葉っぱを乗せていました…。 

 

 

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