再び母のことで悶々と
オムレットくんが言っていたのは、ひつまぶしのお店でした。
とても食事が美味しかったので疲れもふっとびました。
くるみくんには申し訳ないことをしました。
しかし、頼りになります。
草津に行った時とは全く違う、のどかさのかけらもない(景色はのどかです)旅行ですが、楽しいです。
しかし、夜は夢にうなされてしまいました。
やはり、当たり前ですが母のことが気になって仕方が無いです。
夢を見てしまいました。
古くなったニキビのように、黒くなっている癌細胞を、押し出してオペ用のはさみでつまみ切るという夢でした。
こんな風な夢に、一生悩まされそうだなあ。
ショックや恐怖や実感はないけれど、癌という病気のこわさ、恐ろしさを思い知りました。
元気だったのに、静かにいつの間にかすすんでいて、唐突にもうだめです、と告げられる。
起きてみると、みんなまだぐっすりで、寝坊のわたしが一番早く起きていました。
その日は雨がずっと降っていて、犬山城もすばらしかったし、オムそばちゃんは明治村を楽しみましたけど、あまり覚えていません。
母はすごい気力で頑張って、今までおさえつけていましたけど、弱った所をわずか一年ですさまじい勢いで増えていったのだろうか。
もしかしたら、とか、見落とされた、とか、色々言うことは出来るけれど、もう、事実しかないです。
* * *
雨が降っていましたが、犬山城は二度目ですがとても好きなお城だったので、嬉しかったです。
とても狭く、入り口は頭をかがめて通らなければなりませんが、ここに明治ぐらいまで本当に人が住んでいたのかと思うと、とても興味深いです。
雨なのもあって、床がとても寒く、階段を昇っている間も手足がかじかみます。
ここで食事をしたり、政務を執ったり、生活をするイメージがまるでつきません。
着物を着ていても、さぞ手足が冷えただろうなあ、と想像してしまいました。
この日は徒歩で電車移動だったので、バスや電車を待ったり、間に合うためにずっと走り回ったりしていました。
あとでお友達に、
「そんな時にそんな旅行、よく耐えたわね!!」
と言われたりもしたのですけど、どちらかというと、忙しくしているのであまり考えることがなく、助かったかもしれません。
ひつまぶしに続き、最後は味噌カツを食べて帰りました。
この最後の味噌カツがものすごく美味しく、偏食なくるみくんもよく食べました。
カツに加えて、添えてあるたっぷりの野菜をガツガツ食べてくれたので良かったです。
* * *
帰りの新幹線の中では、施設からも電話です。
これから、体が動かなくなっていったときのために、レンタルベッドを借りなければなりません。
全部、必要なのはよくわかっています。
その時になってからではおそいこともわかっています。
しかし、何ともやりきれない気持ちです。
これで、コロナ関係なくどうぞと会えることになりましたけど、骨折のあとにも、あれほどきっぱりと
「ぜひ、デジタル面会(一ヶ月に一度15分)をお申し込みくださいね!」
と言っていたのが手のひら返したような感じがないわけでもなく…。
文句の言いどころもないし、怒りのやり場もないし、かといって、あの会わなかった間に私が家族との間を建て直したのも事実だし、もうどうしようもなさでぐるぐるしています。
* * *
オムレットくんがまた
「箱根はどうかな?」
と言います。
今回のGotoトラベル旅行がとても良かったので、味をしめたみたいです。
確かにおさいふには優しかったです。
母を箱根にか…。
考え込んでしまいました。
おむつを替えてあげなければならないし、もしもの時はどうしたらいいのだろう。
子どもたちが横であまりにもぎゃあぎゃあ騒いでいるのも割とストレスだと思います。