おばあちゃんがパンになった夢
おばあちゃんがパンになっちゃった夢を見ました。
他人が見た夢の話なんてつまらないとよく言われるのですけど、何だか変わった夢だったので、書いてみます。
のどかにどこかを旅行してました。
あっちこっち行って、とても楽しい旅でした。
(現実!?)
結局、引越しをすることになって海沿いの電車に乗ってすすみました。
景色もよく、見たことのない場所ばかりです。
引っ越し先は のどかで人家もそこそこあり、人当たりがよくていいところです。
引越したばかりで忙しいですけど、水曜日はお婆ちゃんの所に行く日です。
やっぱり、おばあちゃんの所に行きました。
これははずせない。(夢です)
いつも施設には、ひとりとてもしっかりした出来る職員さんがいるのですけど、その方がなんだか様子が変です。
とても物忘れが激しくなっていて、どちらかといえば調子はいいけどやることはいい加減な、寮長さんの方がしっかりしてて、困り果てていました。
困った顔をして、その物忘れを色々指摘しています。
そのものの忘れ方、反応になんとなく覚えがあります。
認知症じゃないのかな…っという感じになって、ああ、月日が経ってしまったんだなと思います。
(起きて書いていて思いますけど、これは職員さんにはとんでもなく失礼な話です)
施設は賑やかなお祭りのようなものをしていました。
母の所に行ってみると、おばあちゃん、もう本当にしぼんで小さくなっています。
手のひら二つをおわん型にして、すっぽり乗るくらいの、パンみたいな大きさになってます。
「おばあちゃん大丈夫?」
手でそっと大事に持ち上げました。
とっても愛しい感じです。
「まあこんなに小さくなっちゃって」
頬擦りしてみました。
母はじっと手の中から見上げてますけど、何も言いません。
パン種はフランスパンなのですけど、バタールよりもまだ小さい、ちょうどロールパンぐらいの大きさです。
(ちゃんと端がとんがってます)
おばあちゃんって、ちっちゃなわがままな女の子みたいなところがある、と思いました。
昔から子供っぽくて、「おきゃん」と呼ばれていたやんちゃでわがままな感じです。
それが大人と思って接したり、力強く上から押さえつけてくる親だとすると、とても圧迫感があったのですけど、こんな風に手に納まるぐらいになってみたら、本当に可愛い女の子だなってなります。
わがままなのに、甘えん坊なところがあるからなあ。
そこで、手の中でよしよししてその日はそっとベッドに置いて帰りました。
次に行ってみたら、おばあちゃんが熱を出していて、とても苦しそうです。
かなり慌てました。
末期がんだという、その「がんが暴れ出す」「衰える」「最期が来る」というのが、どんなものなのか、全くわからなかった。
がんが静かであるうちは、とても元気で、それは今は元気でいいんだけど…。
いったい最期っていうのはどういう風になるんだろう?
ずっとそう思って不安でいたのが、夢で答えを与えられたようで、この熱がそうなのかと思います。
風邪かコロナかなどとは全然、考えませんでした。
大事に大事に手のひらで抱えて、治れ治れ治れと、呪文のように何度も繰り返しました。
よく母がわたしにやってくれたことです。
熱を自分の手で取るようにします。
あっついです。何しろパンなので。
熱いけど大事に大事に抱えていて、そうするとだんだん熱が下がってきました。
でも、今度はしなびてきています!
すごく不安でした。
このも冷たくしなびたパンになってしまったのが、死んじゃったってことになるのか、それとも熱が下がってひと段落ついているということなのだろうか?
何度もほおずりしてなでさすっていたら、目が覚めました。
横にオムそばちゃんがいて、なんだかほとんどオムそばちゃんのイメージと重なっていたな、と思います。
何より、あの「治れ治れ治れ…」という呪文。
あれが、母がいつもやってくれていたことだったと思い出せたのが、良かったです。
不安に終わった夢でしたが、いつものような悪夢ではなく、少し幸せな感じでした。