今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

えずきが気になる

 

その日は、パン屋さんにちょうど良いのがなくて、少しカラメルをつけた小さ目のクロワッサンだったのですけど、母はあまり気に入らないようでした。

食がすすみません。
いつものように、すごく食べ物を探すという感じではありませんでした。

 

 ちょっと片付けに行っていると、オムそばちゃんがとんできました。 「ねえ、おばあちゃんすごく具合が悪そう」

 

慌てて行ってみると、机に手を置いて、そこに顔を置いて...つまり伏せていました。

 

 

 

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おばあちゃんが認知症になったお話 → 目次

 

今日は、おとなしい日でした。

 

「あんた結婚してやせんやろうね?」
は定番ですが、あまり話さずに落ち着いています。

 

それほど具合が悪そうというのは感じませんでした。

 

顔色も悪くはなく、それに何より、体格が戻ってきていました。
しかしそれも、こちらの油断だったかもしれない。

 

クロワッサンとコーヒーというのは、胃に良くなかったかな。
気持ち悪くなっちゃったのかも。

 

すごくたまにだと思い、しかもこれがまたよく飲むので、コーヒーを出していましたけど…。
あったかいお茶にした方がいいのだろうか。

 

でも、あったかいお茶を湯呑みに入れて出しても、これがまたまったく飲まないのです。
たぶん、見栄えの問題なんだと思います。

 

今度はお茶をコーヒーカップに入れて出してみようかな?

 

しかし、この伏せている状態は、施設でも実によくやっています。
今の施設に入ってから、この体制を取ることが多くなりました。

 

顔を上げると、
「ん?どうしたの」
という感じで普通です。

好きにさせておいてもいいかと思うのですけど、ちょっと気になったのはえずきです。

  

ゲッゲッと、喉からこみあげてくるものがあるようで、以前に食べ物をすべて拒否していたときも、こういう感じでした。

 

ああ、吐き気があって食べられないんだな、と思いました。
しばらく見なかったのですけど、今日はこれがあるみたいです。

 

「オムそばちゃん、ありがとう。よく気付いてくれたね」
と言うと、
「だっておばあちゃん…。おばあちゃん、だいじょうぶ?」
と本人に言ってます。

 

今まで小さすぎてよくわからなかったんだろうな、そういう風に言えるぐらいまで成長したんだなと思いました。
そして、オムそばちゃんが成長した分だけ、母はやっぱり、衰えている。

 

背中をさすったり、お茶を入れ直したり、ルイボスティーをあたためてみたりしながら、思いました。

 

ああ、母はすごい頑張り屋さんだった。

 

「お母さん、一日一日、力を振り絞って生きてるでしょ」
と言うと、うんうんとうなずきました。

 

ここに来るのも、歩くのも、食べはじめたのも、すべては外出してうちに来たい、要は私に会いたいばかりで、気力がすべてに優先しているのですが、老いも病もあって、限度もあります。

 

「少し休むのも大事だよ」
と言うと、またうんうんとうなずき
「ありがと」
と言いました。

 

そこはやっぱり親子で、よくわかっていてくれて、という感じの言い方でした。

 

 

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冬のさなかに咲いていたかわいい花でした 

 

 

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