母の外出・二回目
というわけで、母がうちにやってきました。
今日の母は、そうとうしっかりしています。
施設に迎えに行くと、すごく意識も顔つきもはっきりして、歩き方もきびきびしてる、元気な母ができてちょっとびっくりしました。
どうしてそんなに元気なのだろう？と思うくらい元気です。
（歯が抜けたので）私にも余裕があります。
嬉しそうな私を見て母も嬉しそうだし、これは大変危ないのですが運転中に私の肩手をずっと握っていました。
母の指は、血が通っているのかなと思うぐらい冷たいです。
でもとても力強く、生気が通っていました。
においが違います。
今日はあの生と死の入り混じったにおいがしません。
本当に、あれはいったい、何だったのだろう？
最近、おやつを少しだけと栄養剤で過ごしています、という風に伝えられていました。
そして、お腹がつまらないように、基本下剤を少しだけ 処方しているので、もしかすると便が出てしまうかもしれませんと言われました。
大人のうんちの始末って一体どうしたらいいんだろう。
かなり不安になりました。
しかしまあ、何とかなるだろうと思って 家に上がります。
オムそばちゃんが目を丸くして迎えてくれました。
オムそばちゃん、最近やっと 習い事に 一人で行くようになってくれたのです！
今までこれのおかげで、ずっと土日も平日も拘束されていました。
歯は抜けるし（まだ言ってる）、あれこれと、少し楽になりました。
今日もオムそばちゃん、自分で習い事に行く準備を進めていました。
助かる…！
お母さん（わたし）があまりにも頼りにならないので、さすがのオムそばちゃんも自分でやるしかありません。
不思議なことですが 子供たち、オムレットくんのお母さん、つまり義母さんと一緒にいる時は、ものすごく私の言うことを聞かなくなります。
たぶん犬と一緒で序列を見ているんだと思うのですが、それはそれは甘えん坊でわがままになり、手がつけられなくなります。
私も見せたくもない強い顔を義母さんに見せなければならず、そういうところがなかなか大変です。
ところが、私の母がいるときはまったくの逆です。
私の後ろ盾として母がいるようなイメージで、普段の2倍のプレッシャーがかかるらしく、普段なら嫌だと言ってやらないようなお片づけも指摘するとその場できちんとやってくれます。
もちろん嫌な顔はしていますが、それでも黙ってやるだけ 100倍増しです。
そんなわけで、いざ母が来てみると、昔ながらの そういう力関係は全く変わらず、オムそばちゃん、めちゃくちゃ掃除させられました。
くるみくんはまだ帰っていません。
わたしも体が良く動きます。
すみっこまでよくゴミを取り、掃除機をあちこちにかけました。
母は、オムレット君が買ってきていた甘い菓子パンの 味のするかなり甘いミニクロワッサンをじーっと見ています。
横目で観察していると、紐を解こうとしています。
一口、二口食べてもあとはほとんど食べない、というイメージがあります。
試しに
「食べたかったらどうぞ？食べて？」
と言ってみました。
おばあちゃん、最初はオムそばちゃんと、ちぎって分け合って食べていました。
こりゃあ、助かる！
食べた！！
あんなに食べたがらなかったのに食べた！
一つ、食べきってしまいました。
そのあと、オムそばちゃん、パンの袋をちゃんとまた縛っておいたのですが、おばあちゃん、これをまた、ほどこうとしています。
今度は、自分で綺麗に解いてしまいました。
２個目、３個目…。
何度も何度も、出しては縛り、解いては食べしています。
甘い菓子パンのクロワッサンとはいえパンなので、水分が欲しいかなと思いました。
麦茶を開けてみると、ポットはからっぽのまま冷蔵庫に入っています。
みんな麦茶（と言うかルイボスティー）の袋のある所は知っているのだから、飲み終えた人はちゃんと入れ直してくれればいいのに！
きっと全主婦の怒りで、わかってもらえることと思います。
この麦茶代わりにしているルイボスティー、この前あったかくして持って行って飲ませようとしたものでした。
母に「こういうの一番嫌い！」と言われ拒否されて、激怒したやつです。
あの時は悪い霊が降りてきたのかもしれない。
そういう時には「今日は悪魔憑きの日だな」と思えばいいのかなという風に考えました。
（現実に起きたときには、そんなの頭からふっとんじゃって、とても余裕はなくなるのですが）
今日はニコニコして天使の日みたいです。
以前なら、何かしなければという使命感に駆られるらしく、出来もしないのに手を出してオムそばちゃんや私に断られたりする。
やってみようとしてもできなくて、かえって機嫌が悪くなる、というパターンが多かったです。
もうおばあちゃんも弱ってしまい、そういう気力も起きない今は、こちらとしてもすごく楽です。
落ち着かない心はやっぱりあるらしく、大したスペースもないうちの家の中を、あちこちうろうろと歩き回っていました。
最初は転倒が心配だったのですが、足取りがやけにしっかりしています。
これも鷺の柱合会議の写真のひとつです。ボケてますけど…。
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