動物園での介護
白くまさんは、どうやらインコさんには、どんな強い態度を取ってもいいと思っているらしいです。
私は全然そんな言い方なんてされたことありません。
その時まで、
「白くまさんが訴えられたなんて、どうしてだろう?何か誤解があったのかな?」
なんて思ってたのですが、これを聞いていたら納得です。
あーなるほどなぁ。
たぶん、精神が安定さえしていれば、そんな言い方をしてはいけないというのは、白くまさんもわかるのです。
現に、ゴリラさん出現よりまえ、普通だったとき、
「自分の言い方きつくない?注意してるんだぁ」
なんて言っていたことだってあるんです。
余裕が無くなってしまっているんだと思いました。
インコさんはとんだとばっちりです。
しかし、インコさんにストレスをぶつけても、何も解決するわけではなく…。
白くまさんは、とうとう、目がうつろになり、すごい勢いでものごとを忘れるようになってきました。
もし、私もこれほど疲れていなかったら、白くまさんのインコさんへの態度をたしなめたりしていたと思います。
今や、できるのはそれとなくインコさんに優しくすることだけです。
(私だけではなくて、同じ部署の女子職員はみな同情してインコさんには優しいです)
ちょっと不思議な話ですが、インコさん、白くまさんとはかなり長年の付き合いらしく、耳から耳へ流すすべもけっこう、心得ているようでした。
それはそれとして、この白クマさんのちょっと病的な物忘れに対応するのはすべて私です。
何十回言っても忘れ去られます。
何回言っても間違えます。
下手をすると、数秒前のことも覚えていません!
これはなんというか…………。
認知症です!
白くまさんの、ある意味気の毒な境遇も分かりますし、精神的にやられているなとも思うので、
「忘れてます!」
「今、言いました!」
とかは言わずに、何度も何度も辛抱強く説明するようにしました。
私は職場でも介護するようになってしまったのです。
実際、何人もに言われました。
介護だよね。
大変だよね。
ちょっとまずいよねと。
でも、対応するのは私です。
大変だよねと言ってくれる人が、対応してくれるわけではないんです。
現在進行形の認知症、きついです。
おばあちゃんの再来です。
正確に言うと認知症とは違うかもしれません。
強いストレスによって脳みそが縮小してしまうと言いますが、それに似てると思います。
そして忘れていることや間違っていることに対して、ゴリラさんがさらに叱るというわけです。
ちょっとでも忘れてることがゴリラさんに伝わったら、それはもう大変です。
「言ったよね!?ねえ言ったよね!?何を聞いてたの、何を聞いてるの!!!!!」
が始まってしまいます。
お前が原因だよ~!!
しかしもう、そこを指摘する元気が私には残されていません。
* * *
これを組織として、どこに訴えればいいのかも微妙です。
なぜなら私がパワハラを受けているわけではないからです。
それに、今まで何度も、別部署でも、パワハラを訴えてもなにも変わらなかった現状も見てきています。
辞めると打ち明けたとき、ある人から、
「あのゴリラさんもしろくまさんも、もう同じ部署にいて長いじゃない?来年ぐらい変わるんじゃないかって思うんだけど」
「変わるかもしれない、でももう、その数か月が待てないよ!むり!」
と答えました。
その前の人事で、あまりにも誰も変わらなかったのに絶望したというのもありました。
そうです。
3月の人事がわたしのダウナーな気持ちに拍車をかけたのです!
(いま、思い出しました)
流れとしては、
1月あたりから辛くなり
3月の人事で絶望した。
6月に事件が起きて退職を申し出た。
8月までに引継ぎをすませ、やめることになった。
という感じです。
せめて画像だけでもほのぼのしたものを…
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