不安 2
おばあちゃんがグループホームに入る時、トースターがもう必要ないとのことでうちに引き取りました。
うちはオーブンがあるのでいらないか、とわざわざトースターを買っておらず、レンジだけでした。
それでパンを焼いたのですが…
「お、お、おいしいー!!!!」
トースターで焼いたパンがこんなにおいしかったなんて!
それからみんな、我先にと朝はトースターを使うようになり、ごはんと味噌汁の出番がなくなってしまいました…。
ただ、パンを買う楽しみは増えました💖
~~ 不安 2 ~~
そのとき、職員さんが入ってきました。
あまり見おぼえないかたでした。
そして、家から持ってきたクッションを指さしました。
「これって、おうちのものですよね?」
「え?はい、そうですけど…」
入るとき、持ち物にはすべて名前を書かなければならないので、クッションにも悪戦苦闘してマジックで名前を書いていました。
するとその職員さん
「ほら~、だから言ったでしょ!だからあなたのだって!」
そして私に向き直って言います。
「もう、言ってやってくださいよ」
と私に言います。
「……………」
いや、言ったとしてももう数分後には覚えてないと思う…。
爪のことをお伝えすることもできず、とてもそんな事言えそうな雰囲気ではありません。
なんだか母に腹を立てているみたいです。
こういう、何度も何度も言っても同じことを繰り返すうっとおしい所はたしかに母にはあって、
「も~~~」
というのは、前の施設の時にも人によってはありました。
そこそこに引き上げて、それからちょっと考えました。
あれ、グループホームって認知症専門施設だよね。
入る時に、認知症であるという診断書が必要だったはず。
認知症に対する基本知識がある人の言動とは思えません。
...ですが、実は私も「オレンジリング」を持っているのです!
会社でずっと前に研修を受けました。
認知症サポーターの持つオレンジリングです。
しかし、そんなもん、本物の認知症の前では知識などふっとんでしまいました。
実の母だったということもありますが…。
もう一つ、気になったことがありました。
帰る前に、母のくつしたについていたようなぽろぽろしたふけのようなかすが、ズボンにもついているのを見ました。
あれは一体、何なんだろう?
でも、お風呂に入っていない様子でもない。
洗濯...?
ここの所、とても天気が悪かったです。
うちでも洗濯ものはためこんでありました。
オムそばちゃんが指摘したにおいも気になります。
実はおむつの時期が来ているのか…
なんとか、色々とたずねてみないといけない。
そんな時に、オムレットくんが言いました。
「うちの斜め前の空き地に、新しい建物が建設中だよね?あれって、グループホームなんじゃないかな?」
→→ 不安 3 に続く
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