今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

わがままになったオムレットくん

 

しかし、叔母のお通夜から帰ってからすぐに、オムレットくんの言ったとおり、あっという間にものすごい感染爆発が起きてしまいました。
ちょうどオリンピック最中で、毎日、4000人越えという陽性が出ていたときのことです。

 

今、少しだけ落ち着いてきていますが、もうとても施設に
「会わせてください」
なんて言える雰囲気ではありません。

 

考えても考えても、何の答えも出ない問題です。

 

 

 

 

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わたしも、もっと早くに知らせればよかったのですが、何しろ本当に覚えているのかいないのかはともかく、母にとっては実の妹であるおばちゃんの名前も
「知らん!わからん!」
とはっきり言われたので、気が重くて知らせていませんでした。

 

でも、話してみるとおじちゃんも同じ意見でした。

 

「そりゃあ、ねえちゃんはわかっとるわ。言葉には出んしわからんと言うかもしれんけど、それはな、りきちゃん、すねとるんじゃ!ねえちゃんのことじゃけえ」

 

わたしもそう思います。
あの怒ったような顔が、何も覚えていないというとはとても思えないのです。

 

「何しろ、会えないというのがね…。さすがにここまで蔓延しちゃうと、どうしてもお願いします!って言えなくてね……」
「おお、そうじゃ、それなんじゃ!本当に参ってしまうんじゃ。精神的にこっちが参るんじゃ!」

 

と言ったおじちゃんの語気が、あまりにも強くて、ああ同じ思いだったんだなあとしみじみ感じました。

 

「食べ物も、食べられなくなっているみたいで」
「そうじゃ、そうじゃ!おばちゃんも同じじゃ。つらくてのう、神経に来るんじゃ」

 

同じことを経験した人の実感がこもっていました。

 

「しかしのう、こればかりは考えても仕方がないことじゃからの。もう考えたらいけん!体の方が大事じゃぞ!」

 

* * *

 

あまりにも周囲も自分もワーワーして、嵐のような日々でしたが、今あらためて改めて調べてみると、東京オリンピックは7月23日から8月8日だったんですね……。

 

もう、一体何があったのか、ほとんど記憶に残っていない日々です。

 

一か月も経つなんて信じられないぐらい怒涛の毎日でした。
母のことは結論が出ないままですが、わたしの家事が復活したことで、オムレットくんに変化が出てきました。

 

わがままになってきたのです!

 

しかし、オムレットくん、これまで非常に体の調子が悪くなっていました。
特に、四十肩(五十肩?)がひどく、病院に行っても治らず、薬からステロイドの駐車、ヒアルロン酸の注射と、しだいにレベルも上がってきました。

 

夜に痛い痛いと悲鳴を上げて起きることもあり、本当にかわいそうでした。

 

土日のお料理がオムレットくんの担当になっているのも、何となく負担が大きいのではないかと思っていましたが、何しろ会社ストレスで起き上がれない状態です。

 

それもあって、せめてお弁当は頑張ってみてあげようとしたのですが、五時起きで会社でふらふらになるという逆効果。

 

それが、土日のお料理も復活、徐々に家の中も片付いていき、お弁当も作れるという状態まで復活したのです。

 

すると、目にみえて、オムレットくん、肩の痛みを訴えることが減ってきました。
これが治療の成果なのか、ストレスが少し軽減されたからなのか、まったくわかりません。

 

でも、よくいう「肩の荷がおりた」というものなのではないかなあと思います。
それだけですめば良かったのですが、オムレットくん、弱っていたのが少し復活してきて、元気になってきてしまいました!

 

無駄に元気になったので、土日も、わたしが料理をしている周囲をウロウロして、あれこれと口を出すようになってきました。
やり方がちがう!そうじゃない!
それはこう切るんだよ!
という感じです。

 

(本物の姑はまったくうるさくありません)

 

う~~~ん。
これはまかせた方がいいのだろうか?

 

それとも、元気になってよかったね、ですませるべきなのだろうか?
これ、「私がまだ働いていて、元気になっている」と思っているから、こうなってるのでは?

 

とても、辞めます☆なんて言えない雰囲気です。
また具合が悪くなったらどうしよう。

 

たぶん、これまでつらかった分、甘えているんだと思います。
ちょっと様子見だな…と思っています。

 

 

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お掃除と料理

 

さて、仕事もやめ、おばあちゃんにも会えないとなると、やることは一つしかありません。

 

お掃除と料理です。

 

これがこんなにも、時間を取るものとは思いませんでした。
あっという間に時間が過ぎていきます。

 

しかし、恐ろしいほど健康的にはなりました。
朝も、五時起きなんてラックラクです。

 

今のところ、オムレットくんの弁当、毎日欠かさず作ることが出来ています。

 

 

 

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このあとに、つらいパワハラ場面に一日中つきあって、グッタリとなることがない、となると、5時だろうが、たちまちぱっちりと目覚めることができます。
人間なんて現金なものでした。

 

まあ、今だけかもしれませんが、お掃除も洗濯もバッチリです。

 

ずっと以前、専業主婦の人がPTAの関係で、うちに来たことがありましたが、それは午前中で、わたしは食器を洗っていませんでした。

 

すると、
「まあ、洗い物してないじゃない!こんなに残しちゃって!私が洗ってあげようか?」

 

うーん。
まるで、よくあるコミックエッセイのイヤミな姑のようだ。

 

あまり考えることなく、ポンポン口から出してしまう人で、悪気がないのもわかっているので、スルーしましたが、こうしていまだに思い出して、こんな所に書いちゃったりしているあたり、けっこう根に持っていたのかもしれません。

 

* * *

 

オムレットくんも、「お弁当を作ってもらうこと」というのに、だいぶ慣れてきました。

 

前は、「おはしがない」「袋がない」とか、これまたコミックエッセイに書かれてしまいそうなダメ夫のような台詞をたくさん吐いていましたが、最近は袋をおいてある場所も覚えて、だまって自分で入れています。
ほったらかしにしていると、自分でやる。
これがいつまでも「おはあしは?」「袋は?」とされていたら、それはいらいらするかもしれません。

 

しかしです。

 

子どもたちが、いつまでも家にいるのです。
というのも、コロナがあまりにも拡大してしまったせいで、夏休みがのび、さらにリモート授業になってしまったのです!

 

これはけっこう、厄介です。
普段なら、塾に行けとか、図書館に行けとか言って追い出しますし、わたしが家にいないと、何となく子どもたちも外に出てしまっていました。

 

しかし、今は、家にずーーーーっといます。
行けと言ってもまったく行きません!

 

もしかして、甘えているのかなあ。
コロナもあるかもしれませんが、やっぱり外で働いている方が自立心はつくのだろうか。

 

失業手当がもらえる間は、少し休んで家にいたいと思っていましたが、先行きも不安だし、案外はやめに決まってしまうかもしれない。

 

とりあえず今は、お弁当を作って、朝ごはんを食べ終わった頃に洗濯物が出来上がって干すことができるというよろこびをかみしめています。

 

* * *

 

そんなとき、電話がありました。

 

今度は施設からではなくて、往診してみてもらっている医療センターからです。

 

最近、とみに食事をとらなくなっていること。
少しずつ、起き上がることが少なくなっていること。
経口の栄養剤は使っていますが、このまま、取らない状態が続けば、それほど長くはもたないこと。

 

そして、もし何かあった時は、エンジェルケアといって、きれいに体をふいたり、お化粧をしたりすることを要望しますか、とたずねられました。

 

二回目に会いに行ったときの、般若になっていたおばあちゃん。
この出来事は、相当に参ってしまっていました。

 

開けても暮れても、やっぱり会いに行かないと、と思ってしまいます。
でも、今回ばかりは、介護施設もかたくなです!
あまりにも感染が拡大してしまっているので、仕方ないとも思うのですが…。
それに、最後の引継ぎの大騒ぎが重なって、もうめちゃくちゃになっていました。

 

さて、辞めた時から二、三日たって、しかも医療センターからこのような電話をもらい、私は考え込みました。

 

どうしても会わせて欲しいと、介護施設を統合している本部に電話するべきか否か。

 

 

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背中を押される

 

オムレットくん、少し遅めに帰ってきて、まったくメールは見ていなかった、と言いました。


「まあ、仕方ないよ」
「えっ、行かないの?迷ってるの?明日は、リモートだから家にいるよ。子どもたちも見れるよ」
「いやいや、もうお通夜もきょうだよ。無理だよやっぱり」

 

日付が変わっていたのです。
寝る部屋に入って、ひとりで悶々としていました。
迷って迷って迷っていると、オムレットくんが顔を出しました。

 

「まだ迷ってるの?」

 

何と、この遅いのに明日の新幹線の時間調べから、宿の手配まで調べてくれていました。

 

 

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そしてこんなことを言います。

 

おーい、今しかないぞ~!今日はまだまん防(蔓延防止)。明日になったら緊急事態宣言になってる。今日しかないよ!」

 

オムレットくんは、どちらかというと保守的な考え方の人です。

 

帰省なんて無理無理!仕方ないね、と言われるかと思っていたのですが…。

 

「行くか、行かないかなんでしょ?自分があの家の娘同然だって思うなら行けばいい、それだけだよ」

 

何だかかっこいいことを言っているようなのですが、オムレットくん、この時、迷っているわたしの辛気臭い顔にイラついたらしくて、すごく怖い顔で怒ったように言ってました。

 

おじおばは高齢者なので皆ワクチンは打っており、オムレットくんとわたしは二回目待ちの状態です。

 

新幹線に乗れさえすれば、あとは寝ることができるので、私は夜おそくまでかかって、トランクに適当に荷物を詰めました。

 

「この時期だから、ホテルもあいてるんだよ!」

 

オムレットくん、 何やら勝手に、何から何まで決めてしまいました。
新幹線の切符はさすがに取れません。
でも、指定席も普通にあいているようです。
そりゃそうか。

 

たぶん、この時に有給を取っていなかったら、あの大騒ぎのあとで、いきなり朝に電話して、
「おばの訃報で…」
といっても、ゴリラさんも白くまさんも、頭から信じてくれなかったような気がします。

 

辞めることや、ちょうど有給だったことなどは、オムレットくんには言っていないままです。
こんな夜中に、説明もできません。

 

もう、本当にタイミングでした。

  

オムレットくんが、背中を押してくれました。
 

* * *

 

とるものもとりあえず、翌朝に新幹線に乗り込みました。

 

横浜線、すごい人です!!
新横浜の降車人数もものすごいです。

 

あれ、いま蔓延防止なんじゃなかったっけ?
こんなにぎゅうづめの混雑、いいんだっけ?

 

そんな風に思ったのは私だけではなかったらしく、すれ違う人ごみのなかで
「新横浜ってこんなに人多いんだ~?」
と話している人もいました。

 

正直、こんなあまりの人の多さをしばらく見たことがなかったので、腰が引けてしまいました。

 

電車に乗る、ということすら久しぶりです。
平日のラッシュを少しずれた時間でさえ、これだけ混むようなら、感染対策なんて何のこっちゃの話です。

 

メールで聞いてみたら、オムレットくんは、毎日こんな感じだと言っていました。

 

「もう仕方ないんだよ!だってコロナだからってみんな仕事しないわけにはいかないでしょ!」

 

しかしほとんどが乗り換えに吸い込まれていきました。
新幹線は、すかすかです。
そりゃそうか。

 

新幹線口に、危険物探知のわんちゃんがいます。
ものものしさにどきっとします。
やっぱり、東京オリンピックの前だからなのだろうか。

 

警備員の人の、恐い顔とは裏腹に、わんちゃんはすごくあどけない顔をしています。
おすわりをして、しっぽをふっていました。
とてもお利巧です。
そして、可愛いです。

 

お店に入って飲み物など買いながら見ていると、何分かおきにおとなしくあたりを周回していました。

 

 

これも、遠い昔に撮ったねこカフェのねこさんです。

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行くか、行かないか

 

三番目の妹のおばちゃんが言います。

 

「いま、この時期は関東地方から九州へはやめた方がいいから。こちらも年寄りばかりなのでね。一応、葬儀の日程だけは伝えるけど、あとは判断してくださいね」
「いとこたちは?」
「みんな、見合わせです。だから気にしなくていいのよ」

 

私のいとこたちは、ほとんどが関東地方に住んでいます。
九州なのに、郷里に残っているのはごくわずかです。
地方から出て行って就職してしまい、戻ってこないの典型です。

 

周辺に住んでいるいとこたちも、来ないかもしれないとのことでした。

 

 

 

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おばちゃんはそんな風に言って電話を切り、お通夜とお葬式の細かい日時と場所を送ってきてくれました。

 

とても詳細な内容です。
なので、また迷います。

これは来るなということではなく、行ってもいいってことなのかな…?

 

お通夜が翌日。
お葬式はその翌々日です。
どうしよう。

 

あんなに可愛がってもらったおばなのに。
最期に顔も見られず、お葬式にも行けないなんて…。

 

行きたいかと言われたら、行きたいです。
けいちゃんおじちゃんの様子も気になります。

 

* * *

 

7月中旬のことでした。
有給をはさんでいるとはいえ、ゴリラさんや白くまさんが滅茶苦茶に荒ぶっている最中です。

 

少しまとまった有給に入って、ほっとした所でした。
もうグッタリでしたが、辞めると決めたことで、気持ちは楽になっていました。

 

まだオリンピックもはじまっていません。
こんなに感染爆発もしていませんでした。

 

行けなくはないです。
というか、今しかないような気がします。

 

おじちゃんに電話をしてみました。
ガランとしたホールのような所にいるようで、声が反響しています。
お通夜に使うホールの場所なのでしょうか。

 

父が亡くなったときも、お通夜の前日に設営をしてくれて、そこに母と二人で座っていました。

 

「おお、おまえか」
というその声が、ボワーンと響きます。
正直、恐ろしいような孤独を感じました。

 

そして、おじちゃんの様子は何となく…。
とてもとても、精神的に参っているように思えました。
来なくていい、と言いませんでした。

 

理解はしているから、という言い方です。
これは、来れたらその方がうれしいのだが、という風に聞こえます。

 

周囲に誰もいなさそうなホールみたいな所に響く、涙まじりの声に、心が揺れました。

 

ど、どうしよう…。

 

オムレットくんにメールしてみましたが、仕事中で繋がりません。
これはやっぱり無理ってことなのかな。

 

何となく喪服を出して、着てみようとするのですが、これがまた、ぎっちぎちです!

 

ふとった…。

 

オムそばちゃんに背中のチャックをあげてもらって、やっと入りました。
うーん。
ピッチピチですが、まあ、いけるといえばいけます。

 

しかし、あまりにもピッチピチだったので、現金な話なのですが、それだけでまたテンションが下がりました。

 

とても、新しいのを買っている暇はなさそうです。

 

 

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おばの訃報

 

会えない間、母の夢を見たりしていました。


夢の中で何度も介護施設の本社に電話してました。

 

お母さん用のパンは?
コーヒーは具合が悪くなっちゃうかも。
スープ皿に入ったスープはどう?
ちょっとしたお肉は?

 

朝起きると、そんな風に考えていたのがさびしくて、やっぱり
コロナさえなければ…
堂々巡りです。

 

それが、こんなにおだやかでニコニコしていられるのを見るなんて、安心したと同時に少しさびしい気持ちもありました。

 

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ニコニコして、和やかでいる母がなんだか不思議なほど美しくて、少し見とれてしまいました。
途中から疲れたようで、ベッドに横になって目をつぶってましたけどなんだかびっくりするほど美しく見えました。

 

綺麗な人だなあ。

 

もう暴れることもなく、出たい出たいと騒ぐこともなく、とても安定した日々を送っているようです。

 

肌にもハリがあって、シワも以前よりも消えているような気がします。
眉にいつも寄せていたのは、苦痛ので仕方ないという苦しみのシワだったのかもしれない。

 

美人ですねとよく言われてきましたけど、確かに87歳で この美貌は異常だなと思いました。
やっぱり母はそういう人だったんだな。
87になって、シワシワになってない人なんてそういないはずだ。
 

アクのようなものが抜けて、一歩違う境地に入ったように思います。
悟りの境地に達したような感じでした。

 

それと同時に、ちょっとあの世に近づいてしまったかのような不安もありました。

 

トイレもまだ自分で行くと言ってました。
いつも通りの家の家具に囲まれて、いつも通りのベッドに寝て、とても穏やかで…そしてさらに穏やかになったからこそ…。

 

まだ、もうちょっと大丈夫のような気がする。

 

もうちょっと頑張って、お母さん。

 

これは辞める辞めないの話になる前の、かなりまいっていた6月ぐらいの話でした。

 

それから大騒ぎした挙句、辞めると言い張っていた私は、7月にも何日か有給を取っていました。
今こそ!
ためていた有給を使う時が来た!

 

明日から有給という、その前日のことです。
(まだ元気な)おばから連絡が入りました。

 

母は男兄弟もいますが、女性は三人姉妹で、そのうちのいちばん長女が母です。

 

「(真ん中の)おばちゃんが、亡くなりました」

 

けいちゃんおじちゃんの奥さんです。

 

* * *

 

おじちゃんも、おばちゃんを施設に入れてからずっと会えていないはず。
ガラス越しに手をふるだけだと言っていました。

 

一度、どうしても声を聴きたくて、施設に電話して無理にお話をさせてもらった時のことを思い出しました。

 

zerohours.hatenablog.com

 

わたしがずっと一番似ていると言われ、一番可愛がってもらっていた叔母でした。

 

母に会えなくなっていたこのことが、わたしにとっても情緒不安定の一番の原因であるのは間違いない。
不安で不安で仕方がない。
一時期は会わせてもらえたのだが、感染が拡大してからはずっと禁止のままになっている。

 

そんな中に入ったおばの訃報でした。

 

 

 

 

 よくある、プロジェクションマッピング(?)で遊べる遊び場で遊んでいた、小さいころのオムそばちゃんです。

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義妹さんからの電話

 

義妹さんからの電話は、お年玉のやりとりのことでしたが、義弟さんのお母さんが様子がおかしいと聞いていたのはどうなったか、気になっていました。

 

やはり、症状が出てしまっているみたいです。
おだやかなかただと聞いていたので、さほどのことはないのかと思っていましたが…。

 

認知症、という症状にたいして、千差万別だと思っていました。
でもやっぱり、同じであるところは同じなんだなと思いました。

 

 

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パニックになって
「今すぐ来て欲しい」
と電話があるとのこと。

 

あああ、母とまったくおんなじだーー。
と、思いました。

 

きっと、世の中のたくさんの認知症の症状のかたが、同じなんだろうなあ。

 

時間の流れとは恐ろしいもので、たかだか3年前ほどの話であるのに、もうすごく昔のことのように感じます。
あまりにもすごい嵐のような日々だったので、どこか本当とは思えなくなっているところもあります。

 

今、年令のせいで、すごく忘れっぽくなってはいるのですが、何かで読んだのですけど、大人になるにつれ、忘れることがとても人生を送る上で助けになっている…と書かれてました。

 

たしかに、ぜんぶ覚えていると相当にこれはつらいです。

 

それでも、たまにガクガクッと肩から冷たくなるように思い出すときがあります。
これがフラッシュバックというやつなのでしょうか?

 

この前、突然怒り出したオムレットくんも、こんな感じだったような気がします。
(まあ、もともと私から聞く施設の対応に不満を持っていたのもあるみたいですが…)

 

「ぼくは、あの寮長さんの無責任な態度を見たら、イライラして何か言っちゃうかも」
とか言ってました。

 

しかし、オムレットくんは実は、かなり当りが柔らかいので、あまり怒っていると気付かれません。
ちょっと今日は気が立っているのかな~?程度です。

 

義妹さんは、オムレットくんの妹さんです。
義弟さんは、奥さんまかせにしたりせず、自分でお母さんの対応をしているのようなのですけど、相談できる人が周囲にいないのだそうです。

 

義弟さんが周囲の会社の男性陣などに聞いても
「うちのがやってくれるから、よくわからないんだ~」
という反応なのだそうです!!

 

何だか、ネットニュースなどの影響で、だんなさんの家族はだんなさん本人がみる、というのは定着してるのかと思ってました。
オムレットくんの会社でも、介護離職された男性が何人かいます。
もう、ほかにどうしようもない、と言われていたとか…。

 

うちの会社も、自分のお母さんの通院のために、介護休暇をとるかたがいます。
なので、最近はそういう風になってきてるのかと思ってました。

 

でも、世間はそうじゃなかった!?

 

嫁がみるのが一般的、というよりも、経済的に仕事を失わないためには仕方がない、という一面がありそうです。
また、思い入れがある家族よりも他人がみる方がよいとう一面もあるのかなあ…。

 

奧が深い問題です。
いくら仲良しでも、絶対に亀裂が入らずにはいられないと思います。

 

 

義妹さん、今、義弟さんが働いている土地柄のせいなのかも、と言ってました。

 

いなかであるなら、九州そだちの私は負けていません!!

 

そしてたぶん、うちの田舎はほぼ、同じように
「うちのがやってくれてるから、よくわからないんだ~」
という価値観だと思います。

 

もしかすると、おばちゃんの介護を背負わざるを得なかったけいちゃんおじちゃんは、周囲のお友達にもわかってくれる人もなく、親戚もおらず、相当に孤独だったのではないかなあ、と思いました。

 

わたしのいとこたちはけっこう数がいるのですが、ひとりも地元で就職してません。
田舎が過疎化するはずです。

 

このいとこたちは、奥さんまかせにせずに、ちゃんと自分たちで自分の親をみようとするのではないかなあ。

 

しかし、一緒に暮らすのは大変だ…。

 

けど、子どもに迷惑かけたくない=死んじゃいたい、なんて、そんな風に思わないで欲しいなとやっぱり思います。
そういう空気を押し付けるのも、こわいです。

 

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ぐるぐる考えてます

 

オムレットくん、最近はわりとおだやかに過ごしていたので、怒りはじめたのでびっくりしました。

 

しかし仰ることはもっともなのですけど、でも介護ベッドに関しては、そう目くじら立てられても困ります…。
たぶん、介護施設にとっては、必須なのでしょうし、母が体を起こすのにも、必須です。

 

「だいたい、介護ベッドは本当に必要なの?何のために入れるの?それ、寝たきりになっちゃったら、とこずれの心配だって出てくるし、放置されてても、いったい誰がわかるの!?」

 

もはや、難癖の域に達し始めました。
(でも、会えなかったらそこもわからないというのはもっともです…)

 

 

 

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挙句の果てに言い出しました。
「それ、本部に電話した方がいいよ、ぜったいに!」

 

とりあえず、こういうときはなだめるしかないのですが、本部にまたクレームの電話入れるべきなのか、どうなのか…。
難しいです。

 

普段の介護さえ苛酷なのに、コロナの対応に追われて、もう限界に達しているらしいことも見えてしまっています。

 

アホたれのしろくまさんの
「じゃあうちにお帰りくださいって言われちゃうぜ!?」
というのと

 

けいちゃんおじちゃんの
「見てもらっているだけで文句は言えん!心を悩ませるより、自分のことをいちばん大事にしろ!」
というのと

 

ぐるぐる回ります。

 

だけど、母をほったらかしておくのが一番かわいそうだ。
やっぱり、どんなに苦労かけられても、母は母だ。
人生の最期の時期に、こんな扱いされて黙ってていられるものか。

 

母は多分、私に会えること以外にもう何も残ってないと思うのです。
それすらも奪われて、(プレスリリースは禁じてないのに)寝たきりになって、外にも出られなくなって、それでいいわけがない!

 

病院の先生も、コロナの検査をご家族が望むならと言ってから、ふわっとのぞむ意志を伝えたのになしのつぶてだし…。
(骨折でうやむやになっていました)

 

本来なら、かかりつけ医が、PCR検査をできる病院を紹介することになっているはずなのに、保健所もおかしいって言ってた!。
連絡不足なのかもしれないので、あまり問い詰めたくはないですけど…。

 

何となくですが、言っても仕方ないのも、たぶん何も変わらないのもわかってます。

 

寮長さんの無神経・責任転嫁っぷりがむちゃくちゃ気になりますが、この介護という業種、無神経でないとやっていられないところがあります。

 

クレームがたとえあっても、するする~と水のように流して、無感動にやっていく。
ある程度の水準をクリアできていれば、目をつぶる。
そうでないと、やっていられないし、続かないのです。

 

介護業界にたずさわる人が、続かないのも無理はありません。

 

オムレットくん、ひとしきりかっとなって怒ったあとは、すこしおとなしくなって
「ベッドをはずしに行きたくないから言ってるんじゃないから~」
なんて言い出しました。
ちょっとまずいなと思ったらしいです。

 

とりあえず、なのでもう何も変わらないとは思いつつ、それならそれで、自分も自己満足で
言いたいことは言わせてもらう。
なるべく、感情的にならずに…。
それしかありません。

 

それでも会えないなら、本部に電話です。

 

* * *

 

そんなとき、義母さんと、義妹さんと同時に電話がかかりました。

 

何かあったのかな?とぎょっとしたのですが、義母さんからはお野菜を送ったとのこと、義妹さんからはお年玉のやりとりのお話でほっとしました。

 

義理実家は、配水管を車で踏み砕いてしまったので気まずいです。
おそるおそる聞いてみました。

 

「もともと、あの配管はあそこにあっちゃいけないものだったの、だから大丈夫!!」
本当か嘘かわかりませんが(でも義母さんは嘘を言うような人ではありません)、再度、ひたすら謝りました。

 

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