様子伺い 1
阿川佐和子さんの記事を読むと、母とかぶっている所もあれば、やはり違うな~と思う所もあります。
きっと個性と同じで、ひとりひとり違うものなのでしょうね。
~~ 様子伺い 1 ~~
これがお薬を使った最初です。
ギャンギャンお互いに電話でやりあったあとに、迎えに行きました。
また病院通いです。
母は以前、癌を患っており、甲状腺を摘出しているのでお薬が必要です。
総合病院に予約をしていました。
部屋に入ると、不機嫌な様子でぎょろっとにらみつけられました。
それほどおとなしくなっている様子はないです。
「ふらふらして足元がおぼつかなくなる」とネットで読んだ副作用の欄には書かれていましたが、特にそういう様子もありません。
しっかり歩いていました。
軽いイライラ状態はずっと続いていました。
一時間ほど経った頃でしょうか。
病院で待っている時に、「口が渇くわ」と訴えます。
お薬で口が渇く感じは、きっと気持ちが悪いだろうなあ。
お茶を買ってきました。
およそ一時間後、母はすっかり落ち着きました。
しきりに眠いと訴え、少し朦朧としているように見えます。
これがお薬の効果なのでしょうか?
しかし、落ち着かなさはやはりあります。
トイレに行っては戻って、出ないと訴えます。
足つきはしっかりしている。
この「向精神薬」がどれほどきくものなのか、ず~っと凝視してしまいます。
この病院は、ものすごく長く待つことで有名な病院でした。
この日も検査を含めて5時間ぐらい待ちました。
病院のレストランで食べ、漢方も飲みました。
「あのねちょっと聞きたいんだけど…」
ずっと気になっていたことを聞いてみました。
「お母さんここにどうやって来たか覚えてる?」
「覚えてるに決まってるわ。黒い男三人に車で連れて来られたんよ」
「黒い三人の男ってだれ?」
「それはわからん。あんたの所に来い来いって言うからこりゃ大変と思って乗ったんよね。それがしまったんやわ!あ~しまった!」
「でもここには、新幹線に乗ってきたじゃない?来る前にクラブのお友達とお話したでしょ」
「知らん。会わん。話してない」
う~~~~む。
そこからは突き詰めることはやめました。
このあたりは、別に朦朧としていたり眠そうだったりという姿はなくて、普通に過ごしていました。
最近の緊張がとけて、つかの間のおだやかな時間でした。
この「黒い男」のことで一つ思いだせるのは、最初に見学に行った施設から次の施設に移動した時のことです。
割と狭い車で送ってもらったのですが、スーツ姿の所長さん二人とわたし、母で乗りました。
三人ではありません。でも車に乗って男性がいたのはその時だけです。
所長さんがたが、何くれとなく話しかけてくれたのですが、その時の記憶が強烈に焼きついているのではないのかなあ…?
しかし、真相はわかりません。
精神科の病院の先生は、これはレピー型の見えないものが見える症状や、せん妄とは明らかに違うと言われていました。
薬局で母はやはり、思い出したようにカッとなりました。
「管理されているのが嫌なんよね。自由がないでしょ。好きなようにやりたいの。こんな我慢はひどい。絶対に許せない。こんな生活はもう嫌!あそこにはもう戻らん!」
う~~~~~ん。
変化があるような、ないような。
効いているような、いないような。
よくわからない…。
→→ 様子伺い 2 に続く