四人そろっておばあちゃんのところへ
おばあちゃん、家族四人そろって来たのをみて、ぴょんと飛び上がりました。
満面の笑顔で迎えてくれました。
とても元気で機嫌がよく、記憶もわりとはっきりしていました。
「あらまあ!」
入居者さんがたをぐるっと振り返って、こちらを指さして言います。
「まごたちよ」
指を動かして全員を指さしてるので、その「まごたち」にわたしもオムレットくんも入ってるような気がするのですが…。
ご機嫌なのでまあいいです。
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最近訪れたときはいつも、ゆっくり話そうと思ってもおばあちゃん、入居者さんがたといるリビングを離れようとしません。
だんだん慣れてきて、ここが落ち着く場所のようになってるみたいです。
施設の雰囲気も前みたいにすさんだ感じがなくて、職員さんにも余裕が出てきています。
(どういうことだろう…?何を変えたんだろう?)
オムそばちゃんが先におばあちゃんの部屋にさっと行ってしまいました。
あとを追って私もおばあちゃんの部屋へ行きました。
部屋には(値打ちのない)懐かしい髪飾りや本願寺あるので、オムそばちゃんは好きなのです。
目をきらきらさせて物色します。
もう何があるかなんてわかってそうなものなのに…。
こうなると、くるみくんも追ってきました。
残されたオムレットくん、営業スマイルで対応するしかありません。
動こうとしないおばあちゃんをなんとか説得して部屋に戻ってきました。
おばあちゃん、不満顔です。
声をひそめて言いました。
「ここにはな、置けるものが限られてるからこんだけしか置けんのよ!荷物少ないやろ!?」
わりとおいてる方だと思います…。
他の入居者のかた、ベッドだけ、という部屋も少なくありません。
うちは本棚にテレビ(見ないのに)、CDにCDプレイヤー(扱えないのに)も置いてます。
もう、「かつての家っぽい雰囲気」を出すのに腐心したのです。
おばあちゃん、顔色もよく、おだやかないい顔をしていました。
しばらく話していると、オムレットくんを指さして
「あんたのだんなさん!」
と言いましたので、思い出したみたいです。
オムそばちゃんが髪留めを持ち上げてじーっと見ていると
「あげるよと言いたいところやけどな!あげるあげると言ってみんなあげてしまったらわたしのものがなくなってしまうからね、あげられんね!」
実におばあちゃんらしい言い分です。
これぞわたしの母という感じです。
「おばあちゃん、具合良かったね」
と施設を出てからオムレットくんが言います。
「ほっとしたでしょ」
その言い方からして、ほっとしたのはオムレットくんのようだなあ、と思いました。
今年一年、このブログを作ってから、(Yahoo!ブログは閉鎖されてしまいましたが…)読んでくださるみなさんがほんとうにあたたかく、心配しながら読んでくださってるのを感じてとてもありがたいです。
皆さんの新年が実多き年になりますよう。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
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