今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

まだまだ元気

 

おばあちゃんを訪問しました。
最近のおばあちゃん、あまり継続したお話をすることができません。

 

施設のリビング、皆さんと一緒に座っている場所が一番落ち着くみたいです。
戻ろう、戻ろう。
帰ろう、帰ろう、とするその場所が、あの「おばあちゃんの席」になったのだとしたら…。

 

それが、落ち着いたということなのなら、ひと段落でもあり、そして寂しいことでもあります。

 

ワーワー言っていた母をなつかしむことになるとは思いませんでした。
あれほど大変だったのに。

 

 

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しかし…今日は違いました。
すっくと立ち上がって、ガバッと私に抱きつきます。
「あんた!よく来てくれた!」
そして周囲に紹介します。
「あたしの娘よ!!」

 

喜んでるのがとても伝わって来ました。
今日ははっきりしてるのかな?と思いました。
「部屋に行ってもいい?」
少し困惑した感じです。
「部屋…?誰の部屋?」

 

なんとなく、このリビングの皆が座っている所こそ母の部屋、という風に認識しているみたいです。
でも部屋に向かいながら、
「ま~あんた大きゅうなったわね」
なんて言います。

 

しかし、私をわたしと認識してくれているだけ、まだ良いのかもしれない…。
ちょっと会話をしましたが、様子がおかしい。
(といっても、いつもおかしいと言えばおかしいのですが)
今日はちょっと違います。

 

財布を探しています!
私の姿から、ふっと昔がよみがえってきたのでしょうか。
どちらかといえば物凄いトラウマものの行動なので、過呼吸になりそうになるところなのですが(わたしが)、久しぶりだったので比較的落ち着いてみていられました。

 

そして、部屋のすみに風呂敷に包まれた大きな包みがあるのを見つけました。
何だろう?
色々なものがぎっしりつまっています!

 

荷物をまとめてるゥ~っ!!!!

 

やばい。これはやばい。
元気になりすぎて戻ってしまっている。

 

どうしよう、どうすれば…。

 

そうだ!
爪を切ろう!

 

支離滅裂な思考のようですが、以前来た時にまたつめがのびているし垢もたまっているのを発見したのです。
まだあの時(クレームを入れたとき)にびっくりしたほど、ひどくはありません。

 

つめを切りながら思いました。
これは、足の方は定期的に濡れタオル持ってきて綺麗にしてあげよう…。

 

「今日はオムレットくんが下で待ってるんだ」
車で連れて来てもらい、オムレットくんはその近所のスーパーが大好きなのでそこに行っているのです。
さらにオムそばちゃんのお稽古の送り迎えもあるので、そろそろ行かねばなりません。
そう説明してみると、
「オムレットさんがいるならあたしもそこにいく!」
断固として主張されました。

 

「まってて!財布を探すから!!確かにここにあったはずなんじゃわ。おかしいな。え~と...」
「………」

 

外に出て、助けを求めます。
施設の方が笑いながら言ってました。

 

「あー(笑)普段からうろちょろされてます。活動的なかたですものね」
そうなんですよ…。

 

というわけで、おばあちゃんがお財布を探してる間に逃げ出してしまいました。
ごめんよおばあちゃん。また来ます。

 

 

 

 

 

 

 

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くまのひもとおし