今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

おばあちゃんの足 1

 

おばあちゃんの所に行かなければ…と思いながらあっと言う間に数日がすぎてしまいました。
休日になってもゴロゴロしていると、オムレットくんが連れ出してくれました。
「ぐずぐずしないで!行くよ」

 

オムレットくん、この施設の近所にあるスーパーが大好きなのです。
少し離れていますが、ちょっと変わった品揃えで面白いものが置いています。
何より安いです。
大喜びでスーパーに入るオムレットくんをしりめに、私は施設に入りました。

 

 

 

しゃべる地球儀

 

おばあちゃんが認知症になったお話 → 目次

 

 

母は(土曜日でしたが)この日は普通でした。

 

いつも通り、ぱっと立ち上がると
「娘が来てくれたのよ~!」
と言いながら周囲に見せて回ります。
周囲の方も、じーっとこちらを見つめて無言でいるので、かなり居心地が悪い瞬間です。

 

毎回毎回、よく飽きもせずに紹介してくれるなあと思いますが、施設のかたは
「大丈夫!みんな覚えていませんから」
と言われます。

 

今回は目的があるので、いつもならリビングにいたがる母ですが、部屋に入ってもらいました。
まだまだしっかり歩けています。
私の手にすがりながらですが、一足一足がしっかりしてますし、何より昔から母は歩くのが早いのです!
ぱたぱたしているので転ぶことも多いわけですが…。

 

椅子に座ってもらい、靴と靴下を脱いでもらいました。
やはり…前と同じ。
垢だらけです。

 

特に靴下が垢でいっぱいになって、私のズボンにも白いフケのようなものがたくさんつきました。
病院で気がついたときほどはひどくありません。
ですが、このまま放置していればまた厚く垢がたまっていたあの状態になってしまうでしょう。
(前は、垢が指の間に厚く積もってしまっていました)

 

でも、もう文句は言いません。

 

水筒を2個用意してきました。
お湯と水を入れて、ちょうどよいぐらいのお湯を作ります。
持ってきたタオルに含ませて、泡のボディシャンプーを塗ってまず洗い、それから拭いて垢を落とします。
本当は流水が良いのですが…。

 

そうだ!
今度、温泉に連れて行ってみようかなあ!?
しかし、落ち着いて入ることができないかもしれません。
ここはどこ!?とパニックになってしまうかも…。

 

わざわざ大変なようですが、何か母に会う用事ができたのが楽しくなりました。
何かしてあげられることがあるというのは嬉しいことだと思いました。

 

引越しもすんで、母もだんだんなれてきて…。
てんやわんやの骨折騒ぎもなんとか落ち着き、クレームを入れた事もある程度は対処してもらっている。

 

足はきっと、そこまで洗うことは難しいのでしょう。
頭なんてきれいなものなので、足が問題なんだと思います。

 

 

 

つづく

 

 

 

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