ふたたび入院　４ - 今日もまた違う一日

せっかく家によって保険証を取りに行ったにもかかわらず事務手続きが出来るのは平日のみとのことでした。
申し訳ないのですが仕事もお休みしました。

会社のひとに、電話口で
「じゃあ、久しぶりにお母さんに会えたんですね」
と言われます。
「いや、それが救急車で運ばれて、病院も面会謝絶で会えないんです」
と答えました。
「ええっ！？そんなバカな！だって家族なのに？それはひどいですよ！！」
すごくびっくりされました。

おばあちゃんが認知症になったお話　→　目次

「だってもう、何ヶ月会ってないんですか？しかも入院するっていうのに！」
「そうなんですよ～！！しかも、コロナじゃないのにですよ！！」
「！！本当ですね！？」

コロナになってしまうと、ずっと家族でも会うことができなくて、本当につらいことになってしまう、と聞いていました。
（今はどうなのか、正直よくわからないのですが…）
それでも無事回復して陰性になればまだよいですが、亡くなられたかたはもう、二度と会うことが出来ないようです。

しかし、今回のこの状態では、コロナでもコロナじゃなくてもまったく同じです。
（このような用心の措置が、感染爆発を防いでいるのかもしれませんが…）

病院の看護師さんと、施設の介護士さんとは、
「面会謝絶で会えてない？それは当たり前！そうですよね～仕方ないですね！」
という感じで、認識が完全に一致してました。

認知症になっていない私ですら、こんなにも会えないことに焦りを感じているのですから、ああいう性格で、なおかつ認知症である母はどんなにかだっただろう。
私の精神維持のためには、コロナはある意味でありがたいことではありましたが、その分母にはより一層のストレスだったと思います。

次の日、病院に行って事務手続きをして、もう一度お話を聞きました。

やっぱり、先生よりも看護婦さんの方が確かです。
母の状況も具合も、きちんと把握していて、これからどうしなければいけないかとか、理由の説明ももう完璧です。

ソーシャルワーカーさんの意見と看護婦さんの意見は一致してます。
先生だけがとんちんかんで、しかも先生の意見ではなくて、看護師さんやソーシャルワーカーさんの言ってることのとおりに話が進んでいっています。

お届け物があったので施設の方によりますと、ちょうどケアマネさんが来ていてお話をすることができました。

ケアマネさんからは、今までの誰よりもはっきりとした、転んだ時の状況を聞くことができました。
本当に誰が悪いわけでもなく、よいしょと机に手をついて立ち上がった途端に、フラフラと崩れ落ちてしまったようです。
皆で支えたけれども、どしんとなってしまったとのことでした。

この崩れ落ちて尻餅をついたというだけで圧迫骨折や坐骨の骨折をしてしまうのがお年寄りです…。

そして、
「娘さんの描いた記録を逐一読みました…。すごかったです。どんなにか地獄であったことだろうと思いました…」
と言われました。

ほぼこのブログに書いているのと全く同じ内容なのですが、当時は夢中になって書き記していましたが今となっては若干（かなり）恥ずかしいです。すごく恐縮してしまいました。

そして、お話したのですが、母は鏡を見たときにいつもショックを受けてしまうのだそうです。
というのも今、母は今、ずっとキッチリしていた、ヘアカラーやパーマをしていません。

一時期は、しに行こうよと言っても、
「白い方がいいと思ったんよ」
なんて言っていたのですが、もうその頃のことや気持ちも忘れて、
「これはどうして！？なんでこんなことになってるん？」
とびっくりしてしまうのだそうです。

そういえば、九州からこちらに来るときの朝も転倒してあざをつくり、それを鏡で見てからものすごいパニックになってしまったなあ…。
鏡でびっくりしたり、パニックになることは、認知症の他のかたにもあることのようです。

「やっぱり、お母さまはご自分の容貌に自信もあるし、おしゃれさんでいらっしゃいますから…」
その通りなんです。
苦笑してしまいました。
もしできれば、と、ヘアカラーとパーマをお願いしました。

とてもありがたいお話でした。
よく母をわかってくださっているんだな、と思いました。

そして、恥ずかしいですが、やっぱり記録をつけておいてよかったなとも思いました。

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きれいな金平糖でした。とても懐かしい味がしました。

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