7ヶ月ぶりに再会 2
「見守りで大丈夫です。どちらかというと、動きすぎるので目が離せない感じですかね~」
そこがおそらく、一番心配なことです。
と、母がひょっとマスクをとりました。
「!!」
ちょっとぎょっとするほど、年取ったおばあちゃんの顔が現れます。
施設のかたも
「!?」
となってました。そして、
「あのう…入れ歯はずされてますよね?」
と聞いてます。
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「お顔がずいぶん違うのですが…」
本当に、他人か?と思うほどの違いでした。
歯がないというのが、これほど人相を変えるとは…。
さっき、母はきれいだな、なんて思ったあとなので、そのギャップがすごくてかなりショックを受けてしまいました。
そしてマスクをすると、またきれいな目が大きなつやつやした母に戻るのです!!
手品を見ているようで、なんだかちょっとクラクラしてわけがわからなくなってきました。
入れ歯をはずした姿なんてもうずいぶん見ていなかったですが、ここまでおばあちゃんではなかったと思います。
しばらく会わなかった子どもに、うわあ大きくなったね、と言うとき、まるで変わった顔に面影は残っているのを見ますけど、これのお年より版です。
施設のかたもとまどったようで、入れ歯について二回か三回聞かれてました。
カテーテルも抜いて、ちゃんと自分で排泄も出来ているようです。
そこはすごい!自分でトイレできるのはすごい!
(赤ちゃんの間逆です…)
心からありがたいと思います。
起こし方、歩き方、あれこれ指導を受けます。
もし万が一のときは、すべてわたしがやらなければならないことです。
歩行器のレンタルや受け入れの準備のため、一週間後の退院となりました。
その間、リハビリをすすめるということでした…。
入院費は、あの例の障害者手帳のおかげでゼロ円です。
「お食事代×3×日数」
「お着替えセット×日数」
が払う代金でした。
コルセット代も、申請すれば市から補助金として戻ってくるとのことでした。
この補助は本当にありがたいです。
…と共に、社会全体としての福祉費の圧迫が恐ろしいです。
はっと見ると、母がしきりと何かをおがみはじめてました。
目をぎゅっとつぶって、手を擦り合わせています。
ありがたやありがたや…という仕草です。
前からよく
「ああ、神様、ありがとうございます…」
ということはよく言う人ではありました。
というのも、母は甲状腺がん、乳がんと二回のがんのサバイバーなので、入院したときにひとりで聖書など読んだりしていました。
別に、何かに入信するわけでもなし、基本は本願寺系列の超最大手の一般的な仏教です。
母なりに、今のわたしよりも若いときに生死の境にあって、何らかの宗教的救いを求めたのだと思うのです。
今現在やっているこれは、どうも、南無阿弥陀仏系の手のすりあわせ方です。
長年のしみついた仏様への祈りが戻って来たのかもしれません。
わたしにもう一度会わせてくれてありがとうございます、と言ってる気がしました。
(そういうことをよく言う人でした)
かと思えば、腕のリストバンドを執拗にいじってます。
ちぎってしまいそうな(母はかなり力が強いので…)感じなので、看護士さんがなだめていました。
「夜もやはり立とうとされちゃいますね~」
これは、一番ありそうなことは、夜に一人でトイレに行こうと起き出して、そこで歩けないことを忘れて転んでしまうことです。
買ってもらったせいろです。