歯と一緒に失ったもの
歯が…抜けてしまった!!
歯医者さんから、
「これはもう、抜けちゃうと思います。でも気にしないでそのままでいいんですよ…」
と言われていたのですが、やっぱりちょっとショックです。
疲労、心労、歯槽膿漏…色々重なってのことではあったのですが、ついに抜けてしまいました。
抜けた歯を見ると、変な話ですが、見るからに疲れきっていて、これは抜けてしまうだろうなという感じでした。
疲労で歯が抜けるというのは、聞いてはいたけど本当にあるんだなと思いました。
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寝ている時じゃなくて良かったです。
飲んでしまいそうで怖かったので。
と、なるべくポジティブに考えてみます。
(それでもショックです)
今までは痛くてさわれなかったのですが、歯でふれてみると、奥にかたいものがあります。
これは、肉に埋まってはいるけど…??歯だ!
唯一抜いていなかった、親知らずに押し出されたのです。
抜けたあとは、これでよくくっついていたなと驚愕するほど、親知らずの歯がぎゅーっと寄ってきていて、みるみる盛り上がってきていました。
完全に肉に埋まっているのですけど、すきまから出て来そうな勢いです。
まあ歯茎が弱ってゆるんだところに押してきたのかもしれないですけど、「親知らず」か…。
抜けた後は嘘のように痛みがないです。
なんだかすっきりします。
肉体的な痛みがなくなってしまったので、肩が軽いです。
そして痛い痛いと思い悩む必要がなくなったので、変なことですけど、悩まされずに純粋に母のことを本当に考えることができるようになりました。
ここにきて、やっと寂しいという気持ちが湧いてきています。
母が恋しい。
母がこの世を去るのは心から寂しい。
いなくならないでほしい。
母のこと困っていたし、付き合いづらかったし、でも、大好きだしたったひとりのお母さんで小さい時はとにかく可愛がってもらった。
親戚の中でも、母の味方は私、たった一人でした。
理解者はわたししかいないという自負もあります。
なんとなく田舎の親戚というものの人の悪さみたいなものがぼんやりと理解できてきたとき、そういうのに対して真正面から向かって負けない母がかっこよく見えてた時もありました。
その頃は、異常なせっかちも、そこまでひどくなかったように思います。
多動の傾向などあったかもしれませんが、大人として理性で押さえ込んでいる感じがありました。
もうずっとずっといくら思い出しても、困らされたときの母の嫌な顔しか思い浮かばないなと思っていたけれど、やっと笑顔や、優しかったことや可愛がられたこと思い出すことができてきました。
変なことに、歯が抜けるという…。
大人になってから歯が抜けるという、わりとショックな出来事が、私のイライラや苦しみや恨みなどを、一緒に背負って抜けていってしまったように思います。
可哀想だからとか、余命が短いからとか、無理をして自己満足のために伝えるのじゃなくて、昔みたいに素直な気持ちになった時に お母さん大好きってもう一度言えたらいいな。
そんな風に考えられるようになりました。
歯医者さんによると、別にこの位置なら、差し歯やら何やらする必要もなく、そのままで大丈夫、と言われていました。
これで、今治療中の歯が何とかなれば、やっとすっきりするなあ。
おばあちゃんと過ごす時間を、今までになく前向きに迎えられそうに思い、少し元気が出てきました。
うちで何か食べ物を出してみようかな。
家にいれば、コロナもある程度は安心です。
どうせ掃除洗濯洗い物と、することはいくらでもあるので、来ていてもらって、自分は自分で忙しくしているのもいいかもしれない。
前にみたいに手伝おう、手伝おうとされるとちょっとつらいけど…。
この前はオムそばちゃんに会えたので、くるみくんにも会わせてあげたい。
今度はうちに来てみてもらおう。
そう思って、次の母との外出を迎えました。
余命宣告があってから二回目です。
これがなければ、このコロナの中で自由に外出というのは、絶対に出来なかったと思うので、何がどう転ぶかわからないものです。