心のソーシャルディスタンス - 今日もまた違う一日

会社でお隣の人がしみじみと
「お酒をやめて歩こうかと思うんだ」
と言います。
ここはひとつ、からかおうかと思って
「つまんない人生ですよ～」
と言ったら、しばらく押し黙ってしまいました。

「そうか…。そうだよ。本当だね」
え？
「本当にそうだね！！」

えええ～。

「やめよう！まだはじめてもいないけど！！」

本当にいらんこと言ってしまいました。
本当にただの冗談のつもりだったのに。

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おばあちゃんが認知症になったお話　→　目次

おばあちゃんは、とても元気になってしまったようです。
施設のかたが
「もう、車椅子どころか歩行器もいらないと思うんで、レンタルはしたんですけど返そうかと思ってます…」
と言います。
「使われたらどうですか？とおすすめしても、『何で！？そんなんいらん！！』と仰って、しゃかしゃか歩かれてしまうんですよ」

元気で喜ばしいことではあるのですが、ちょっと心配です。
足腰が弱っているのは事実なので、また転んでしまうかもしれません。

母は私に会えたので元気を取り戻したように見えます。
今度会えるのは、通院のための月末です。
本当はやっぱりこうして、頻繁ではなくても会えると母も元気で落ち着いてるんだと思います。

今度こそ、今度こそ、もし出来ることなら、外でちょっと私と食事を取るぐらい、してみてもいいのじゃないかなー、と思います。
うどんやわらかめとかで、食べてもらえるかな...。

東京都は、コロナ感染者数、横ばいな感じですけど、とうとう規制の緩和が決まりました。
ここからどうなることか、まだまだ様子見です。

＊　＊　＊

オムレットくんが焚き火したがる気持ちは何だかよくわかります。
ご飯が美味しいし、火を突っついているのが楽しいし、とても落ち着きます。
のんびりできるのです。
キャンプブームになるのも無理はないなあと思います。

最近のオムレットくん、この焚き火やりたさのおかげで、川を見に行ったり、やかんを買いに行ったりとあちこちちょっとでも機会があると出かけていました。

「ちょっと出かけすぎかな？」
と何気なく言うと、くるみくんが重々しい顔でうなずきます。
「えっ！？出かけすぎかな！？」
くるみくんに重々しい顔で言います。
「おれたちがもう、行きたがらないからってのも重々わかってるんだけどね。それでもね、親二人で出かけすぎです」
えええ～～！？
「ソーシャルディスタンスが出来てない感じですね。心のソーシャルディスタンス」

心の…ソーシャルディスタンス…とは…何ぞ！？

何となく言いたいことはわかります。

くるみくんは大きくなってきたし、オムそばちゃんはお友達と遊びに行くことが多いので、もういいのかなーと思ってました。
でも、やっぱりお休みにも親が家にいない、頻繁に置き去りにされるというのは、くるみくんもちょっと「…」と思っているんだな。

もうすっかり親離れしているのかと思ってましたが、ちょっと寂しい…とは違いますが、そんなにほったらかしにされるのもどうか、と思っているのかもしれません。

やはり、たまに改めて思うのですが奥さんというのは、えらく大変です。
私を軸にして、母との親子関係、子どもとの親子関係、だんなとの夫婦関係という三つがぐるぐる回っていて、私が壊れるとすべてが成り立ちません。
ひとつに比重を置きすぎると、ほかがゆがみます。

でも、それぞれにぐるぐる引っ張られて、振り回され、なんだか自分がないような気分になってきます。
そしてどんどん時間はたっていき、いつの間にか年を取っている…。
いやいや、よくない。考えていると、どんどんドツボにはまってきました。

くるみくんの言い分はもっともながらも、
ちょっとぐらい、いいでしょ！そのくらい！
という気分になってしまいました。
大人気ないです。

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