終末に向けて?
自分の名前がわからなくなっているというのは本当に衝撃でした。
よく考えたら、骨折した時の病院の付き添いのとき、病院の人はしきりと「○○さん」と話しかけることはしてましたが、「あなたのお名前は?」というのは聞いていませんでした。
わからなかったのです。
わざわざ、そんなことを聞いているのを見たのが久しぶりでした。
認知症のテスト以来です。
あれからおよそ三年です。
日に寄ってむらがあるとは思うのですが、今日は私の名前もわからないようです。
ただとても近しい存在であり、ずいぶん久しぶりに会うということはわかっているようです。
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しかしです。
すぐに薄れてしまいましたけど、一瞬だけ
「今日は他には連れて来なかったの?」
と言っている様子を見ると、オムそばちゃんやくるみ君のこともかすかにやっぱり残っているようです。
もうここに来なくなってかなり経つのに…。
わたしの指の結婚指輪を見て
「あんた結婚したの!?まぁ!」
と驚きます。
これ何度も聞くなあ!すごく気になるのかな?
「誰と結婚したの?」
「オムレットくんです」
わかるかな?と思いますが、いつも
「あらそうオムレットくんそうなの。そうね!」
そこはすごく納得します。なぜなんだろう。不思議です。
コルセットを引っ張って、しきりとはずそうとします。
それから、机に伏せてしまいました。
この曲げた姿勢、めちゃくちゃ気になります。
背骨の圧迫骨折には非常によくない姿勢な気がします。それならむしろベッドに寝ていた方がいいのだろうか…。
少し経つと伏せていた顔を上げて
「そうだったのオムレット君と結婚したの!」
と繰り返します。
前もそうでしたが、なぜ、そこは覚えてるんだ~!
結局、割と帰る直前まで、オムレットくんの名前を連呼していました。
しかし、寝ていたり伏せたりもするのですが、それと同じくらい、盛んによく話して、ちゃっちゃと立ち上がりあっちこっち歩き回ろうともします。
大変元気に見えましたが、施設の方が言いました。
「今日は昔の奥さんが戻ってきたみたいですねえ」
食事量も減り、ずっとベッドで横になっていることの方が多くなり、皆さん心配していたようです。
ゲッゲッとえづく様子を見ていると、確かに食べられなさそうです…。
「食欲を増やすお薬というのはあるようなんですが精神薬に近寄るのも近いもののようで…」
そういうのは望みませんとお答えしました。
「もしかして拒食症のようになっていますかね?」
と聞いてみました。
「それは、十二分にあると思います。メンタル的なものが…」
もう、全部コロナのせいだよー!!
そうならないはずがなかったです。
なんとなく、お医者さまと施設のかたが、今回私に聞きたかった内容というのが、より終末医療に近いものになっているのを感じました。
ならば、どちらかと言うとお薬で食欲を何とかしようとするよりも、自然のままに任せてやりたいと思いますと答えました…。
というのは、海外に寝たきりが少ない理由というのが、対処両方で薬、薬で薬漬けにはせず、ある程度食べる量が減っても管を通して栄養補給したりせず、自然にまかせていると、非常に穏やかに終末に向かうというのを読んだからなのですが…。
それが正しいのかどうか、全く判断できませんし、何もかも海外のやり方ががよいとも思えない…。
それに、この「自然のままに」という判断は、いくらある程度お願いしていても、結局は毎日診ている施設の人が下さないといけないので、本当に大変なことだと思います。
他人の命にの命に責任が持てない、持ちたくないと思うので、いざとなったらお医者さんに預けてしまうほうが楽なのは目に見えています。
お医者さんの方から
「ではヨクカンサンのお薬を減らしてみましょうか」
という話が出ました。
気持ちを落ち着かせる漢方です。
なるほど目から鱗です!
ちなみにリスペリドンはどうなっているでしょうかと聞くと、すでに飲んでいないようなのです。
びっくりしました。何も知りませんでした!
いつからなんだろう?
じゃあ今、だいぶ穏やかなと思っていたのは、あの強い抗精神薬のないそのままの母の姿だったのか。
オムそばちゃんが発見した、ちいさなきのこです。