お墓参り
お墓に向かいます。
一日じゅうでも散策していられそうな、よい景色です。
立ち木ひとつとっても風情のある、理想の田舎です。
家はたくさんあるのですが、そんな中に、かさこ地蔵みたいに、横並びに並んだお地蔵さまがいました。
苔むしてもないし、ちゃんとお世話されています。
日本の原風景とはこういう事だ、みたいな場所でした。
住宅はすごくたくさんありますが、お店がありません。
「この書店さん、毎日のようにプラモ探しに行った。あるわけないのに分からないんだ」
こだぬきです。
ことりっぷ ショルダーバッグ SN-8192 レディース [PO10]
お墓は、とても日当たりのよい、気持ちいい斜面にありました。
「まずやることは、この中からうちのお墓を探し出すことです」
「ええーー」
すごく広いお墓で、めちゃめちゃいっぱいあります。
一度来たことがあっても、どの辺りかまでは覚えていません。
「大丈夫!うちのおばさん(義母さんのことをオムレットくんはこう呼び増す)に、聞いてきたから」
何と、義母さん、グーグルアースでお墓の位置を指定してきていました。
すごいです。ハイテクです。
お墓は、グーグルアースのおかげであっさり見つかりました。
くるみくんは覚えているはずがないし、オムそばちゃんははじめてです。
一応、うちの実家のお墓でわかっていますが、久しぶりです。
皆でお墓をみがき、雑草を取りました。
しかし、草に埋もれている、などと言うことはまったくなくて、とても綺麗でした。
オムレットくんの弟くんも、行ったと聞いています。
もう近くに親戚はいないと聞きましたが、それでも入れ替わり立ち代わり、誰か来ているのかもしれません。
オムレットくんが色々、詳細に話してくれたとおり、みなさん、夏の楽しい思い出がいっぱいあるんだろうなと思いました。
わたしの家は、祖父・祖母がおとなりに住んでいたため、夏になるといとこたちがみんな来る立場でした。
ワイワイと楽しく、人の手も多いので、おばさんがた総勢でたくさんの料理を作っていたなと思います。
ずいぶん長いこと泊まっていたし、きっとおばあちゃんは大変だったでしょうけど、楽しかったです。
オムレットくんが突然、思い出したように言いました。
「本当はGOTOトラベル、神奈川のもあるはずだと思って探してたんだ。箱根にお母さんを連れて行こうと思って。面会できるようになったって聞いてたから…」
そんなこと考えてたんだー。
しかし、母を連れて行けるかというと、おむつのお世話、温泉に本当に入れるのか、などなど、どうにも厳しいような気がしてなりません…。
「あでら断層だ!」
と、オムレットくんが言います。
「???」
調べてみたら、岐阜と長野にかかる大きな断層だそうです。
最近、グーグルレンズというアプリで、携帯のカメラを向けただけで、検索してくれるアプリを見つけたので、あれこれとってみます。
マルバルコウ・木曾ヒノキ
木曽ヒノキか、へー!
虫たちが寄り固まってじーっとしていました。(虫が苦手な人はごめんなさい💦)
グーグルアースでお墓の位置を教えてもらい、Wikipediaで断層の意味を調べ、グーグルレンズで草木の名前を知る…。
便利な世の中になったものです。
途中で、ケアをお願いした医療センターから、連絡が入りました。
「お亡くなりになった後の話なんですが…」
「はあ...」
「エンゼルケアと言って、体をふいたり、お化粧したりするのをうちで請け負うことが出来ます。葬儀屋さんにお願いする事も出来ますがどうされますか?」
とりあえず、ほとんど頭が回らず、適当にお願いしますとか何とか答えて切りました。
あとで、もう死んだ話をするのか…?とモヤモヤしてきました。
オムレットくんが言います。
「そこはおばあちゃん、意地悪で長く生きていただかないと。がっかりさせてやるんだよ!」