おじちゃんの話 2
「もうな、つらいんじゃ…、おばちゃんのう、大変なんじゃ」
やっぱり、1月の電話のときの...私の嫌な予感は当たっていました。
いくらケアマネージャーさんが来ると言っても、デイサービスのショートステイを使うといっても、二人きり。
密室でずうっと顔をあわせて過ごします。
「徘徊が始まってしまったんじゃ」
おばちゃん、とうとううちの母と同じような状態になっていました。
1月にはまだ、大変だけど、
「わしが見なきゃならんことやから」
そう言っていたのに。
二か月です。
症状は、どんどん変化していきます。
昨日まで出来ていたことが出来なくなります。
でも、毎日一緒にいる家族がそのことを受け入れるのはほんとうにむずかしいです。
去年ごろは、おばちゃんのこと、おじちゃんは
「いや姉ちゃん(わたしの母です)のようではない。なぜならおばちゃんは大人しくて言うことをよく聞くから助かる」
と言っていました。
おばちゃんもただただじっと座ってテレビを眺めているようでした。
大変なのはおトイレなのかなと思っていたのですが…。
・徘徊が始まった
・姉ちゃんと同じ
との言葉に私も全てを察しました。
「そしてわしは眠れんのじゃ」
と言います。
それは、そうだろう、と思います…。
母もですが、ほんとうにうるさいです。
落ち着かなくて、あっちこっち歩き回って…。
そして、朝早くに家を飛び出しました。
これ、2019年7月に投稿していますが、だいたい1年くらいのブランクがあるので2018年のことだったと思います。
2年…2年で、これだけはっきりと話すこともあった母が、もう今は私が結婚したことも忘れている…。
2年の間に、おばちゃんも症状が進んでいたんだと思いました。
「夜全然眠れんのじゃ。ずーっと夜、ずーっと歩き続けて、わしはついてまわるんじゃ」
うちはマンションで、二重鍵がありました。
(それでも出て行ってしまって、くるみくんが捕まえてくれました)
おじちゃんのところ、田舎のおうちなので、庭に面して広い出口があるし、(今調べたら、掃き出し窓というらしいです)じつに簡単に外に出られます。
なれた自分の家なので、玄関だって鍵をはずすなんて簡単です。
「外に出たら大変だ...」
「そうなんじゃ。だから一日中手を握っているんじゃ」
とおじちゃんは言います。
これで外に出てしまうと、よくある徘徊老人です。
警察に連絡、スピーカーがなります。
「ピンポンパーン・こちらは〇〇広報です...〇市に住んでいる、82歳の女の人を探しています...」
分かります。
おじちゃん本当に辛い。
「それで施設の方は?」
「もうな、さすがに考えた。おばちゃんはもう介護の4なんじゃ。特養の方にお願いしようかと思っとる」
介護4とは、これは大変です。
うちの母よりもきついです。
やはり、足腰がしっかりしてトイレにも行けている母は、あれでも助かるんだ。しっかりしているんだ。(ただ、その代わりたいへんうるさいです)
「空いている施設もあってな、もうケアマネージャーさんの所に行ってわしは全てを話した。言う通りだった。本当にりきちゃんの言うとおりじゃったわ」
もう言葉もありません。
あの恐ろしいおばあちゃんとの生活、それを今おじちゃんはたった一人でやっているんだ。
今わたしがとても日常生活に戻っているので(いつどうなるかわかりませんが...)あの日々がどんなにつらかったか、ものすごくよくわかります。
やはり姉妹で似ているので、ボケ方...認知のなりかたもどこか似ているようです。
毎日毎日が戦争です。
たかが二か月のようなのですが、一日、一日がとてつもなく長かっただろうなと思いました。
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